みなさん、こんにちは。
現役オンコロジーMRのゆってぃーよ。
私が20代前半のMR新人時代に一緒の営業所で働いていた先輩(仮名:藤井さん)と先日飲みに行ってきたの。
先輩の藤井さんはMRから弁当屋に転職していった異色の経歴をもってるの。
今日はその先輩のMRを辞めてから現在までの経緯を教えてもらってきたから書いていくわね。
先輩MRが弁当者に転職した経緯
藤井さんは32歳くらい(少し曖昧)の時にMRから弁当屋に転職したのよね。
MRにやりがいが感じられずに漠然と働いていた時に、いつも接待で使っていた和食割烹の店主に弁当仲介の誘いを受けて弁当仲介会社として独立していったのよね。
当然、この和食割烹の弁当仲介だけでは事業といて成立しないでしょ。
そこで藤井さんがセンス良く考えたのが、当時接待で良く使っていた様々な飲食店に弁当実施の営業をかけたのよ。
複数の飲食店と契約して、高級飲食店に製薬会社向けの弁当を作らせて、配達まで請け負ったよ。
当時は製薬会社専用弁当配達会社「ぐるなび」や「スターフェスティバル」なんて、存在していなかったから先見の目があったわよね。
弁当屋として独立した藤井さんの会社の仕組み
藤井さんに教えてもらったんだけど、弁当って利益率が高いから飲食店もメリットがあるんだって。
確かに弁当なら、接客も不要、食器も不要、客が店内にに滞在する事もないから、夜の営業にも支障をきたさない。
それで、配達は藤井さんが担当するからお店に余計なタスクはない。
当時の説明会用弁当の単価は平均3000円。
一回の説明会で10個の注文なんて当たり前の状況から考えれば、インパクトは大きいわよね。
お店からしても、お昼の隙間時間を有効利用が出来て、ランチよりも単価が高い弁当が捌けるのは有難い。
藤井さんが長年、接待で使っていたお店で信頼関係も構築されていたので契約もスムーズだったみたいよ。
そのエリアで接待で使うような高級店との弁当契約が取れれば、それが実績となって新規店舗に営業をかければ安心、信頼があるからスムーズに契約できる。
こんな感じで一気に会社を作り上げたのよ。
藤井さんが頭が良かったのは製薬会社(MR)にも積極的にアプローチしたのよね。
10個以上の注文をすると、MRが食べる用の弁当1つプレゼントなどの特典を付けていたのよね。
藤井さんの会社は、あくまでも弁当注文の仲介だけだから、食材の在庫も抱えないし、配達用のレンタカーとバイトを雇うだけという高利益企業だったのよね。
年収がMR時代を大きく上回る事はなかったみたいだけど、経費で飲みに行きまくれるし、仕事が回り出したらバイトのシフト管理くらいで、めちゃくちゃQOLが高かったみたいよ。
そんな藤井さんの弁当仲介会社も10年経たず閉鎖されました。
時代は流れるのよね。
藤井さんのビジネスモデルは大手(ぐるなび、スターフェスティバル等)が参入してきて一気にシェアを奪われていったのよ。
そもそも、当時の弁当平均単価って3000円だったけど、今は2000円くらいでしょ。
単価が下がれば当然、利益も減る。
もっと言えば、説明会の弁当禁止案も出ているくらいなんだから、この先も厳しい環境なのは明確よね。
また大手の資本力で薄利多売のビジネスモデルになった時に、個人経営の藤井さんの会社は全く歯が立たなかったみたい。
結局、藤井さんの会社は自己破産まではいかなかったみたいだけど、大きな負債を抱えて倒産しました。
藤井さんはMR認定資格の継続教育を受けていなかったので資格も失効していて、現在は高速道路の料金所で契約社員として勤務しているんだって。
土日も仕事も、シフト制なので深夜勤務もあり、福利厚生なし、激減だって。
藤井さんのチャレンジは尊敬するけど将来のビジョンが見通せていなかった。
藤井さんのチャレンジは素晴らしいと思う。
弁当仲介会社って当時では画期的だと思う。
でも、将来のビジョンまでは描けていなかったのだと思う。
「大手企業に参入されたら?」という極々、スタンダードな将来リスクが描けていなかったのだと思うわ。
なんか藤井さんの話を聞いていて、今の製薬業界の転職事情にも当てはまると思っちゃった。
裁量権を持って仕事が出来る、収入アップ、やりがいUPなどで煽られてバイオベンチャーに転職する人がたまにいるけど結局、将来のビジョンまで考えずに目先の事柄に惑わされている事がある。
将来に絶対はないけれども、絶対がないからこそ確率の高い選択をする必要があると思うわ。
まとめ
その昔、藤井さんはMRにやりがいを感じずに、弁当仲介会社を起業しました。
始めてしばらくは順調で、かなりQOLが高かったみたいだけど結局、会社は倒産。
藤井さんは「MRを辞めて弁当屋を始めた事には後悔はない」って言っていたけど強がりにしか思えなかった。
だって、今の生活があまりにも悲惨な状態なんだもの。
現役MRのみなさんも目先の利益に惑わされないで、しっかりと将来起こりうるリスクまで考えて転職活動をしてほしい。
私だったら、やっぱり大手の専門領域MRが一番良いと思うわ。
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