みなさん、こんにちは。
現役オンコロジーMRのゆってぃーよ。
今の時代はMRをしていれば、どの会社であっても早期退職(リストラ)はあるでしょう。
業績が悪くて人を切る事はスタンダードであるけど、業績が良く上乗せ退職金の十分な準備が出来る時期だからこそ実施する製薬会社もある。
なので、製薬会社が早期退職を実施すると表明されれば、他人事には感じないでしょう。
私は早期退職制度を自分自身が利用した事はないけれども、在籍中にこの制度が施行された経験は複数回ある。
今日は、私の話ではなく昔、世話になった先輩MRの話。
しばらく、連絡を取っておらず年賀状のやり取り程度の間柄であったら、久々に電話をもらった。
先輩MR:「俺、会社が実施する早期退職制度に手を挙げて受理されたんだ。」
今日は、この先輩MRについて書いていきます。
50歳、開業医担当、生活習慣病薬担当、地方都市、年収1100万円の先輩MR
この先輩のプロフィールをもう少し詳しく。
氏名:澤井さん(仮名)
家族:妻・子供2人(高1、小6)
会社:大手製薬会社勤務
年齢:50歳
社歴:勤続15年
職歴:新卒で不動産営業をして30歳で異業種でMR、35歳の時に今の会社に転職。
専門性:一時期、地方の大学病院の担当歴があるが一貫して生活習慣病担当
最近は年賀状のやり取りで近況を報告し合っていた。
澤井さんは、昇進、昇格、昇級などの欲は一切なく、現状維持が1番の幸せと言っていた。
仕事は特別忙しい訳でなく、数字の詰めも無い。
家族と一緒に住めてとても幸せと言っていた。
そして、会社が早期退職制度を公表して、ずいぶん悩んだと言っていたが手を挙げることにしたとのこと。
ちなみに、会社からの追及や強制は一切なかったらしい。
そして、退職金は約3800万円。
転職先はこれから探すっていっても大変でしょ。
早期退職制度に名乗り出たタイミングで会社が提携している、エージェント会社のサポートを受け始めたとのこと。
澤井さんは新卒で不動産の営業をしていて、大した資格では無いけれども複数の資格を持っていたので、その資格を使って不動産業界に戻る目論見だったそうだ。
しかし20年のブランクがあるので今更、資格があると言っても何の役にも立たないでしょうと勝手に感じていた。
定年までカウントダウンが始まる50歳という年齢で、業界ブランク20年は、やはりかなり厳しかったようだ。
ちなみに、澤井さんが早期退職制度に手を挙げた理由はとってもシンプルだ。
「製薬業界は厳しくなってきて、定年まで働ける気がしなかったから」
そして、不動産系の資格もあるし今までMRとして営業の経験も豊富だから、転職先はあると考えていた。
でも転職活動を開始してすぐに現実に突きつけられたようだ。
50歳を超えて専門資格も有していない人の転職は本当に厳しい。
澤井さんが第一希望していた不動産業界は、書類すら通過せずに全滅したらしい。
営業であればどのような業種でもと手あたり次第、応募しても正社員採用は皆無だったそうだ。
結果的に、契約社員で高速道路の料金所の仕事を始めた。
夜勤もあり、寒さもあり、保証、賞与、福利厚生などが皆無な仕事だ。
具体的な年収は聞けなかったが、かなり厳しそうなのは話していてすぐに分かった。
この話を聞いて、澤井さんの早期退職は成功だったのだろうか?と考えてしまった。
澤井さんが定年まで10年間、製薬会社に勤めていれば年収1100万円+超手厚い福利厚生が得られるはずだった。
3800万円の割り増し退職金がもらえたと言っても、半分くらいは通常退職金と考えると、たった2000万円弱の現金で製薬会社での10年間の報酬を放棄したことになる。
もちろん、MRを続けていてPIPなどに入れられ上乗せ退職金が無い退職に追いやられるリスクは0ではない。
それにしても、正しい選択だとは全く思えなかった。
更に言えば製薬会社でMRをクビになり工場勤務に左遷されて年収が半減したとしても、手厚い福利厚生を考えれば製薬会社に残る選択が最も良いとも感じる。
50才の先輩MRが転職先も決めずに早期退職に手を挙げて結果、死ぬほど苦しんだ話のまとめ
澤井さんは、MRを早期退職したことは後悔していないと言っていたが、強がりにしか聞こえなかった。
辞めろと言われた訳でもなく、自ら退職を選択して、収入が激減して、肉体労働の仕事をしている今を見ると、後悔しない訳が無いと感じた。
MRという職業の将来性に不安を感じる理由は良くわかる。
しかし50代MRであれば、「どうすれば定年までしがみつけるか?」を考える事がもっても大切だと感じる。
いずれにしろ、年齢に関係なく転職先を決めずに早期退職に手を挙げる事はリスクでしかない。
早期退職制度が実施されたら、手を挙げようと考えているのであれば、その前から情報収集は必ずしなければならない。
エージェントから情報を常に得て、即転職活動が出来る状況を常に整えている事が結果、幸せになれると信じている。
50代は定年も見えており、次の転職先はなかなか無いからその会社になんとかしてしがみつくのが必要だと思います。
しかし、40代以下はMR自体に見切りをつけた方が良いです。本社に行くか、昇進して営業所長を目指すか、他業界に行くべきです。
あなたのブログにある通りMRはなくなりませんが、メーカーの正社員MRは恐らく2030年には絶滅に近い状態になるでしょう。
私の会社を含めていくつかの会社の事業部でパイロット的に営業所長のみ正社員でMRは全てコントラクトというケースが出てきていますし、ある企業の事業部では営業所長すらコントラクトです。
出世してある製薬の取締役になった元上司がおりますが、その方が言うには数社で新薬の採用と最初の段階でのプロモーションのみコントラクトで賄うと言う形にして、固定費を削減するのがトップマネジメントクラスの検討事項になりつつあるそうです。
直近でもポジションを無くす話も出ていますし、正社員MRの絶滅は決して絵空事ではないと思います。