みなさん、こんにちは。
現役オンコロジーMRのよってぃーよ。
近年の繰り返される早期退職と採用の絞り込みで年々MR数が減少している。
20年度版MR白書 直近2年でMR5,000人超減少。2030年のMR数を予測する話。
会社が考える適正人数に落ち着くまでは、この傾向は続くと思う。
早期退職と聞くと「やばい!」と感じるかもしれながいが、通常の退職金に加えて特別退職金というインセンティブもあるので、考え方によってはMRにとってメリットと捉える事も出来る。
逆を言えば、会社は特別退職金を用意しなければならないので、確実にデメリットだ。
そう考えた時には、早期退職を実施する製薬会社はMRに対して思いやりがある優しい会社とも言える。
会社にとっては、MRの人数を減らす時に特別退職金を使わずにMRが辞めてくれれば、それに越した事はない。
MRに辞めてもらいたいけど、名指しで退職勧告をしてしまえば指名解雇になってしまうし、でも特別退職金も用意したくない。
そんな風に考える会社は、どのような手段を取ると思いますか?
今まではPIPという本来ならば育成の為に使われるプログラムを悪用した退職推進が行われていた。
このPIPに最近、変異型が出現していると聞いた。
今日はコロナでなく、PIPの変異型について解説していきます。
本来なら正しい育成制度のPIPを悪用した製薬会社が過去から存在する。
PIPについては過去に何度も記事にしています。
PIP自体は全く悪い制度でも何でもない。
仕事に苦戦している人を、サポートする育成プログラムなので、本人にとっても第三者のサポートが得られて成長するきっかけになり得るありがたい制度。
なのでPIP=悪では決してない。
問題は、PIPの制度をリストラのツールとして悪用する会社が存在する事だ。
私は目の前でPIPの過程を何度も目撃したけれども、まーあ、悲惨ですよ。
精神が崩壊して、大の大人が御下座して泣きながら謝罪しているのに、更に畳みかけるようにすら笑いを浮かべながら冷酷非道な事をする会社。
初めてPIPの追い込みシーンを見た時のショックは今でも忘れられない。
しかし、最近は業界内だけでなく、マスコミからもあまりPIPを話を聞かなくなった。
それは決して、PIPが無くなった訳ではない。
今までのPIPのままだど、訴訟などで会社が事実上敗訴になる事例が出てきたので変異型PIPになったのだ。
過去繰り返されていたPIPが今の環境に対応出来るよう変異型PIPに発展変身した。
今までのPIPは徹底的に追い込んで戦意喪失させ早い段階で退職に追い込むというのがスタンダードだった。
しかし変異型PIPは精神的に追い込む事は基本しない。
今までよりは多少、退職するまでの期間が長くなったとしてもパワハラ、不当退職勧告などの訴訟に持ち込まれて足元すくわれないように用意周到にPIPを遂行されるようになった。
決して精神的に追い込むような事をせずに、あくまでも会社は育成サポートしてくれるというスタンスは徹する。
では、会社は追い込む事もせずに何をするのか?
それは、この期間で徹底的にエビデンスを積み上げる。
1つ1つの事例は大した事がなくとも数多くの虚偽報告、違反事例を集めまくる。
活動日報、携帯通話履歴、GPS、駐車場領収書、メール履歴、発言も録音される、調べられる事柄は徹底的に調べ上げられる。
当然、違反事例だけでなく、仕事上の出来ていない事例も集める。
とにかくターゲッティングしたMRのマイナスになる事を全て徹底的に集積する。
そして、一定数のエビデンスが集まった段階でMRに突きつけて「これでは会社は守りきれない」と突き放す。
「他のMRもやっている!」などの主張は一切受け入れられない。
警察官のスピード違反取り締まりと同じ手法だ。
「今は、あなたの違反を取り締まっているので、他の人は関係ありません。」といわれておしまいだ。
このように用意周到にPIPを使われてしまえば、MRとしては勝ち目はないでしょう。
最近、変異型が増えている!変異型PIPによる水面化リストラ追い込みついて考えるのまとめ
コロナもPIPも変異型の方が対処に困る。
最近のPIPは従来の激情型から変異している。
PIPの話は最近聞かなくなったと思っても無くなっている訳ではない。
形を変えてより強力に逃げ道なくMRを退職に追い込む制度として利用されている。
PIPによる退職追い込みは、他業界でも実施されているが、製薬業界で多い事は有名だ。
特に組合がない外資系で多く横行されており、東京管理職ユニオンでは複数の製薬会社が独自の管理組合を立ち上げて活動をしている。
アストラゼネカユニオンは、PIP訴訟でAZからの条件受け入れ和解を提示させて事実上の勝訴に持ち込んだ。
この東京管理職ユニオンの執行委員長が赤裸々にPIPについて書かれている書籍をMRならば一度読んでおいた方が良い。