みなさん、こんにちは。
今年は製薬会社の早期退職はあまり無いな〜と思っていた上半期でしたが予想通り各社始まりましたね。
8月には武田薬品工業が早期退職を実施してかなり話題になった。
武田薬品の「フューチャー・キャリア・プログラム」という早期退職はどっちなのか考える。
そして先週、日本イーライリリーが早期退職を社員にアナウンスしたという報道がありました。
日本リリー、初の早期退職者募集を実施営業組織再編に合わせ全MRの1割規模か(日刊薬業)
外資系企業は往々にして斬新な取り組みをして周りを驚かせる事がある。
今回の日本イーライリリーの早期退職も今まで見たことのない、斬新かつエグい方法を取っているらしい。
今日はこの事について書いていきますね。
2020年に初めて実施される日本イーライリリーの早期退職
会社からの公式発表がないので日刊薬業の記事と知り合いからの情報提供でまとめています。
日本イーライリリーの早期退職概要
社員に対してアナウンスとした時期:9月第2週
対象者:領域問わず営業部門の社員
年齢:35歳以上
募集人数:MRの1割、約170名(現在MR1700名)、所長以上40名〜50名
退職日:2020年12月末
インセンティヴ:通常退職金に加えて上増し退職金の支給
募集締め切り:9月末
9月10日までは退職など1ミリも考えていなかった社員が9月30日まで(19日間)で退職届を提出しなければならない。
会社が社員に伝える時には「みなさんの将来の選択を増やす素敵なプログラム」のような前向きな発言をしていたらしいが当然、実態はリストラ。
会社は絶対に辞めさせたい社員をリストアップしているでしょう。
そもそも日本イーライリリーはなぜ早期退職を実施するのか?
現在イーライリリーの主力製品は絶好調とプレスリリースで伝えている。
日本イーライリリー 2019年度売上高は2,750億円を達成 (プレスリリース)
発売する薬がどれもメチャクチャ売れる薬なので新薬上市に伴ってジャブジャブ中途採用をしていた。
5〜6年前リリーは大卒であればMR認定資格がなくても中途採用で入社出来た。
更にMR未経験でオンコロジーMRにもなれた。
なので当時イーライリリーはMR養成メーカー、オンコロジーMR製作所と言われていた。
そんな勢いがある会社がなぜ早期退職を実施するのか?
これは主力品の特許切れとそれを補う大型製品の開発失敗にある。
2019年のリリー製品の売り上げランキングがこちら。
(イーライリリープレスリリースより)
最も高い売上を誇っているサインバルタは21年に特許切れ予定。
第3位のフォルテオもバイオシミラー発売された。
第5位のアリムタは既に製品の特許は切れていてプレメディ特許が認められているが、その特許も21年6月に切れる。
抗悪性腫瘍剤アリムタ®のビタミン療法特許に関する特許庁の特許維持審決について(プレスリリース)
主力5製品中、3製品がこのような状況になりそれを補う大型製品がない。
これが今回の早期退職の最大の要因でしょう。
さらにイーライリリーの大きな特徴としては大量の中途採用だと思う。
新薬がどんどん上市され続けきたから中途採用をしていたと言えば聞こえが良いが離職率の高さも業界では有名な話だ。
なのでイーライリリーに良いイメージを持っていな他社MRも多くいた。
それでかどうかは不明だけど、リリーは5年くらい前まではクインタイルズ(元IQVIA)と肩を並べて通年でMR未経験者の中途採用をしていた。
なぜ、抜群の製品力がある会社なのに社員が辞めていくのか?
そこには様々な理由があると思うがPIPの存在がある事も否めない。
PIPについての解説は今更いらないと思うけど添付します。
そんな会社が早期退職を実施すると、どうなると思いますか?
リリーの早期退職はリストラとPIPのハイブリット形式らしい。
9月11日社員にアナウンスして9月30日までに退職届を出さなければならない。
しかもMRと所長合わせて約200名くらいの大人数。
会社としては優秀な社員には残ってもらって、パフォーマンスが低い社員に辞めてもらいたい。
でも日本では法律で指名解雇は許されていない。
私の知る限りではファイザーが1度チャレンジして大失敗している。
辞めてほしい人に確実に辞めていもらう為にはどうするか?
リリーの今回のやり方はエグい。
辞めてもらいたい社員に対して
「今回の早期退職は希望退職です。ですので退職を希望されなかったら残る事も可能です。」
「しかしあなたはパフォーマンスが低いので来年からPIPに入ってもらうと思います。」
「また暫くあなたが成長するまでは担当施設を一度外して他のMRをサポートするようなMR活動をしてもらうかもしれません。」
どうですかね。
絶妙に恐ろしいですよね。
今のご時世、専門領域経験があっても40代以降の転職は厳しいし、そもそもの募集人数も少ない。
40〜50代のプライマリーMRにMR転職はまず無理でしょう。
辞めても転職先が無く地獄。
会社に残ってもPIPに入れられて精神が崩壊していき地獄。
イーライリリーの早期退職は「どっちの地獄を選択しますか?」というリストラ劇。
2020年に日本イーライリリー が初の早期退職!リストラとPIPのハイブリット方式に夜も寝れない話のまとめ
どこの製薬会社であっても早期退職制度は避けては通れないと思う。
その中で今回のリリーのやり方は恐ろしいと感じた。
社員に早期退職をアナウンスして19日後には退職届を提出させる。
しかも200名近い大人数。
このノルマを達成させる為に会社は確実に退職させたいMRは追い込んでくる。
普通に追い込んでしまえば違反行為になってしまうので、PIPをチラつかせる。
会社を去っても転職先が無く地獄
会社に残ってもPIPに入れられて地獄
あなたがリリーで50歳のプライマリーMRだったらどちらを選択しますか?
DODAエージェントサービスで転職
こんばんは。恐ろしい話ですね。私ならすぐに転職活動します。私の前いた会社も早期退職があり、年齢が対象外でしたが、転職しました。50歳だとずっとしがみつくしかないんじゃないかと思いますね。得意先持ってないMRでもずっと居座る覚悟が必要ですね。何もすることないなら副業する位の気持ちで。会社がねをあげるまで。会社を苦しめてやればいいんですよ。それ位やらなきゃだめですね。
35歳なら異業種にチャレンジもまだできそうですね。44歳でMRから他業種にいかれた方は知ってますので、諦めない事が大切ですよね。
まだ30代前半ですが、また転職したいと考えてたりします笑
CMRさん
コメントありがとうございます。
恐ろしいですね。
担当施設が無いだけでなくPIPで日々、精神を削り落とされるので、しがみついても精神が崩壊していく事でしょう。
であれば、中高年MRは上乗せ退職金をもらい、年収500万円に下がっても転職する選択が賢明とも考えられます。
いずれも大事なのはCMRさんのように常に転職を頭に浮かべながら副業に勤しむ事だと思います。