みなさん、こんにちは。
現役オンコロジーMRのゆってぃーよ。
「この会社に入社できれば定年まで安泰」
そんな幻想を抱いている人は今はいませんよね。
しかし私も含めて、ある程度は大丈夫と楽観視している部分はあるでしょう。
でも各社の決算報告書を見ると、この会社は本当にヤバいって製薬会社も存在する。
先日書いた日本ケミファの早期退職はその典型だと思う。
日本ケミファの早期退職(リストラ)を見て今後は中小製薬会社のリストラが横行すると感じる話
この記事にも書いたが、決して日本ケミファだけに限った話ではない。
ケミファは人員削減に取り組んだだけ危機感もあり他の製薬会社よりも存続の可能性が高いのかもしれない。
今日は、内資系の中小製薬会社の状況から将来を予想していきたいと思います。
どのような内資系の中小製薬会社がヤバいのでしょうか?
そんなに難しい話ではない。
売上が下がっている。
利益が少なくなっている。
新薬の開発候補が少ない。
長期収載品比率が高い。
明確なコストカットなど策を講じていない。
決算報告書を見ても明確なマイルストーンがない。
こんな会社は誰がどう見てもヤバいでしょう。
今までは、このような会社でも生きていけたんですよ。
人間関係を構築して特許が切れた長期収載品でも必死に製品コールして後発品に切り替わるのを阻止していた。
特許期間満了まで経過した薬剤であれば、開発コストも回収出来ているので長期収載品の利益率がメチャ高い。
しかし、今の時代は基本、特許が切れれば後発品に切り替わるし、わずかに残った既存品でも毎年行われる薬価改定でエゲツないくらい薬価を下げられる。
売上・利益が下がって、将来売りが上がる予想も立たない状況が続くとどうなるか分からない人はいないでしょう。
今までは、どうにかなったけど時代は変わったよ。
具体的に厳しい中小製薬会社ってどこになりますか?
どの会社も厳しいとは思う。
その中でAnswersNewsの記事は分かりやすい。
中堅製薬、業績停滞鮮明に…生き残り模索も見えぬ打開策(AnswersNews)
(AnswersNewsより)
このグラフは2010年から2014年の5年間(青のバー)と2015年から2019年の5年間(赤のバー)で売上が伸びたかを示しているグラフです。
これを見ると科研、キッセイ、ゼリア、鳥居、日本ケミファは直近5年で売上げを落としている事が分かる。
(AnswersNewsより)
そして同様にこちらは営業利益率を見ている。
縦に各企業ごとに見て○15年度に比べて◇19年度が上にプロットされていれば営業利益率が上がっていると見る。
各社見事に利益率を下げている。
加えて注目して欲しいのは利益率の数値である。
キッセイ、あすか、扶桑、鳥居、日本ケミファ、わかもと、これらの企業は営業利益率が5%未満である。
そしてこれらの企業が毎年の薬価改定で長期収載品の薬価をガツンと下げられれば一気に赤字企業に転落する。
これらの会社の決算報告書を是非確認して欲しい。
開発候補薬が充実していれば、回復する希望もあるけれども、これらの企業は決算報告を見る限り、かなりかなり厳しい。
中小製薬MRに転職を勧めたら「大手は大変だから」「今の給料で満足している」だって
さきほど挙げた会社の中の1社に勤めている友人MRがいる。
同じエリアを回っていた他社MRで互いの結婚式にも参加する仲の良さだった。
そのMR(仮名:長田くん)に転職を勧めた事がある。
色々なリスクを説明して、結婚もして守るべき人も出来た事を機に本気で転職を勧めた。
その際に長田くんが言っていた事。
・大手に転職したら仕事が大変だから
・今の給料でもそれなりに満足している
・今の会社にはお世話になった人が多い
・転職したい企業がない
・外資は怖い
・転職が必ずしも良いとは思わない
などなど。
長田くんがいう通り転職が成功だとは限らない。
将来の事なんて誰も分からない。
もしかしたら、厳しいと指摘した企業に勤めていても定年まで勤め上げられるかもしれない。
しかし将来の事は誰も分からないからこそ、より幸せになれる確率の高い選択をするべきだと思う。
その選択をする際に「先輩達を見ていて大丈夫そうだから」という考えは通用しない。
「画期的な新薬を発売出来ない企業は倒産しても仕方ない」という事を暗に言っている制度改定があるのだから。
国内中小製薬は最終段階。今後は割増退職金を用意した早期退職(リストラ)すら難しい財政状態!?のまとめ
新薬候補もなく、利益率5%以下の財政状況の中小製薬会社は本当に厳しい。
今回の日本ケミファの早期退職(リストラ)はまだ、危機感を持った対応だと思うし社員に上乗せ退職金の用意をしているだけマシだと思う。
財政がひっ迫してリストラするにしても上乗せ退職金すら用意出来ない企業が今後は出てくると思う。
いよいよヤバくなった時に考え出しても完全な手遅れである。
長田くんは「外資は怖い」と言っていたが外資よりも数千倍、今勤めている企業の方が怖いと思う。
ストレスを溜め込まない為に嫌な事は考えないのは大切な方法だと思う。
ただいつか向き合わないといけない内容であれば逃げてはいけないと思う。
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