みなさん、こんにちは。
また製薬会社の事件ですね。
今回の事件に関しては医者側は既に逮捕されている。
過去の記事はこちら。
三重大学が小野薬品の薬で診療報酬不正請求。MRの関与は?寄付金目的?医者と製薬会社の闇
当時、この教授は関与を否定して准教授に全ての責任を押し付けていた。
この教授は小野薬品の賄賂事件前に医療機器納入を巡る贈収賄事件で逮捕されている。
その後、今回の小野薬品からも現金を受け取ったとして今年、再逮捕された。
三重大病院元教授を再逮捕 小野薬品の薬使う見返りに現金受け取った疑い(毎日新聞)
これら一連の報道は全て医者側からの視点であった。
そして今回、製薬会社側から事件を見て、社員が贈賄の疑いで逮捕された。
今日は、この事件を製薬会社側から見て書いていこうと思う。
小野薬品の社員が贈賄の疑い逮捕され実名報道された。
小野薬品の社員が逮捕された経緯を簡単に言うとこうだ。
薬をいっぱい使ってもらう見返りに現金を教授に渡した贈賄の疑い。
ミクスの記事を読めば良く分かる。
三重大病院元教授への贈賄疑い 小野薬品の営業本部社員2人を逮捕(ミクスオンライン)
その他の新聞の記事などでは逮捕された社員の実名と年齢まで書かれている。
小野薬品社員の逮捕で実名報道されるという事は各新聞社が、社会的な影響が大きく、国民の知る権利があると判断したからだろう。
実名で報道される事によって、1人は東海支店長であった事がすぐ判明した。
製薬会社は今までも、メチャクチャ悪い事を繰り返しているが、実名報道されるってあまり多くないと思う。
卸談合事件とディオバン事件くらいしか私は知らない。
そして今回の逮捕を受けて小野薬品は謝罪コメントを出しているが些か腑に落ちない事がある。
教授への賄賂は奨学寄付金として正式なルートを経て麻酔科教室に支払われていた。
小野薬品の社員が逮捕された理由が、薬をいっぱい使ってもらう見返りに現金を教授に渡したから。
でも金を渡したと言っても菓子折りの下段に潜ませて、そっと手渡した訳ではない。
そもそも奨学寄付金を支払う際には営業部門とは切り離した独立部門で審議されて決定される。
小野薬品の話だと今回の麻酔科への寄付も社内の正しいルートを経て支払われているとの事。
正しいルートで寄付が決定されているのになぜ、営業部門の社員が逮捕されるのか?
この逮捕が誤認逮捕なのか?
もしくは小野薬品は奨学寄付金を決める際に、実は営業部門が口出し出来て薬の売り上げ向上のツールとして利用されていたのか?
後者であれば奨学寄付金制度を根底から覆す会社ぐるみの卑劣な悪事だと思う。
三重大学麻酔科への贈賄疑いで教授に続いて小野薬品の社員も逮捕された話のまとめ
昨年あった医薬品卸の談合事件では大手卸の部課長級だけでなく役員クラスの社員も起訴された。
そして今回は国立大学の教授や大手製薬会社の支店長が逮捕された。
これらの悪事が犯罪である認識は当然、あったと思う。
しかし偉くなると「俺様は大丈夫」とか思うのだろうか?
どんなに社会的地位が高くなっても犯罪は許されない。
にしても、今回の三重大麻酔科の事件は腑に落ちない事が多い。
教授にしてみれば、自分の収入になるわけでもない大学(教室)に振り込まれるたった200万円の寄付を得るために犯罪を犯すメリットは?
小野薬品からしたら、なぜオノアクトの売り上げを不当に上昇させたいと思ったのか?
発売して19年経ち製品としては成熟しきっている年間の売り上げも50億円に満たない製品になぜ固執したのか?
そして奨学寄付金を決めるプロセスに営業部門は関与しないはずなのに、営業部門の社員が逮捕されるという矛盾。
もし小野薬品が奨学寄付金を営業目的に使っていたのであれば、他の大学への奨学寄付も賄賂になるので、今より何倍も大きな問題に発展する。
社会的地位が高まると善悪の区別がつかなくなるのであれば私は永遠ヒラMRで良い。