みなさん、こんにちは。
現役オンコロジーMRのゆってぃーよ。
医薬品業界における環境変化のスピードは目が回るくらいの勢いがある。
昨日まで右に進むのが正解だったのに今日からは左が正解になっていたりする。
この環境変化に対応出来るスピード感と柔軟さが大切になってくるのは間違いない。
その中で本日の日刊薬業でこんな記事が出た。
GSK日本法人、オンコロジー事業本部を設立 再参入表明から約3年、複数製品が開発後期段階(日刊薬業)
このタイトルだけを見ると「GSKもオンコロジー部隊が発足するのか!」と感じてしまうが、そもそもGSKにはつい最近までオンコロジー事業部は存在していた。
なので「やっぱりオンコロジーまたやります。」というのが正しい表現でしょう。
今日はこの事について書いていきますね。
2015年にGSKはオンコロジー製品をMRごとノバルティスに売却した。
2015年にグローバルでGSKがノバルティスにオンコロジー領域事業を約160億ドルで売却している。
これは製品の移管だけでなくMRごとノバルティスに渡していた。
当時、ノバルティスからGSKに転職したMRがいて結局、転職して数年でノバルティスに出戻るという奇妙なシーンを見た。
発売されている抗がん剤だけでなく開発後期の薬剤もノバルティスに渡した。
もちろん各事業の戦略があり、当時のGSKはオンコロジーを売却して、その他の領域で勝負する戦略だったんだと思う。
これが2014年から2015年にかけてのお話。
そして1500億円以上の金を動かしてMRごとノバルティスに売り払った、わずか2年後の2017年にオンコロジー領域再参入を表明。
もしかしたら、既存品と開発後期品と当時のオンコMRが不要だったから整理しただけなのかもしれない。
いずれにしてもたった2年で「やっぱりオンコロジー!」って軽すぎません?
オンコロジーMRがプライマリーMRに転職して「やっぱりオンコロジー」って言うのと訳が違うでしょう。
グラクソの柔軟というか優柔不断経営はそれ以外にも多々ある。
グラクソって講演会を実施しても講師謝金を払わないと表明したことがあるんですよね。
講師謝金を支払う事で売上至上主義や利益相反の疑いが生まれてしまう。
患者の利益を最優先した結果、講師謝金を払わないと当時発表している。
逆を言えば講師謝金を払っている製薬会社は患者の利益を最優先にしていないと捉えられかねない発言だった。
これもね、結局撤回して講師謝金払い始めているのよね。
後はMRの販売目標を撤廃して事もあった。
この時もGSKMRは高い見識と専門性があり医者との関係性もすでに構築されている。
販売目標に日々追われているストリートファイター系MRとGSKMRは違うと言っていた。
でもね、これも撤回されている。
グラクソの売上至上主義復活を聞いて、いかにもグラクソらしいと感心した話
これは環境変化に対応する柔軟性ある経営判断というのが正しい表現か?
優柔不断経営というのが正しい表現か?
GSKがオンコロジー事業部を再設立。方針転換は必ずしも悪いことではない。けど、のまとめ
私のグラクソのイメージはパキシルとアドエアで圧倒的な製品力がある会社。
給料もほどほどに良く、福利厚生も充実していて超優良なメガファーマという印象。
しかしいつの間に迷走しているよう会社に見えるようになった。
・第一三共との合弁会社ジャパンワクチン→解散
・MRの販売目標撤廃→撤廃を撤廃
・講演会の講師謝礼なし→やっぱり払う
・オンコロジーをノバルティスに売却→やっぱりオンコロジー事業部再設立
2月にこんな事をつぶやいたら結構反響あった。