みなさん、こんにちは。
現役オンコロジーMRのゆってぃーよ。
私が10年近く前に生活習慣病MRからオンコロジーMRに転職したのには複数の理由がある。
最大の理由は、営業力だけで勝負する程の人間としての魅力がなかったのが正直な話だ。
それを最もらしく言えば転職した理由はこんな感じ。
・医薬品と取り扱う以上、学術的な活動で医療貢献をしたい。
・今後、コール回数や医者とのお付き合いで処方をもらう時代から科学的根拠に納得してもらい処方してもらう時代になる。
・MRの人数が多すぎるので希少性ある専門領域MRでなければ淘汰されていく。
これらの思いで私は転職した。
そしてオンコロジーMRになってから1度も生活習慣病MRに戻りたいと思った事はない。
また私の周りを見てもオンコロジーから生活習慣病に転職していったMRはほとんどいない。(PIPで追い込まれて緊急な転職を強いられたMRはその限りではない)
そう考えると私が選択した道は間違っていないと思う。
もちろん、当初思い描いたようにいかない事もある。
それでも、ある程度は情報提供を軸に仕事が出来ている充実感がある。
その中で今日、医者から言われた事でモヤモヤしいてすっきりしない出来事が起きた。
今日はその事について紹介していきます。
この抗がん剤を処方した理由は「処方強化キャンペーン」だったから。
ある基幹病院のある診療科の部長医師と面談した時の話。
私の担当してくれている抗癌剤を処方してくれたので、その患者さんの背景を色々教えてもらっていた。
その患者さんは前治療として他の抗癌剤が投与されていて、その後の治療として私の担当製品が投与されていた。
前治療で投与されていた薬剤は変な使い方では無かったけど1世代前の薬剤だった。
私が医師にその薬剤を選んだ理由を聞いた時の回答が、モヤモヤの根元。
医者の回答は「その薬剤を投与した時期は私の中でその薬剤が処方強化月間のキャンペーンだったから。」
もちろんガイドラインにも記載されている標準療法ではある。
でも科学的根拠でもなく、医学的知見でもなく、自分が勝手に設定したキャンペーンが理由で抗癌剤が選ばれた事に大きな違和感があった。
抗癌剤は基本的には手術も出来ずに完治が望めない患者に少しでも生存期間を延ばしたりQOLを向上する為に処方される薬剤。
癌患者からしたら藁をもすがる思いで医者を頼って治療が開始されている。
しかし医者が処方した薬剤は「強化キャンペーン」が理由で処方されている。
ちなみにこの医師は癌治療認定医の専門資格を有している。
そうであれば少なくとも、その抗癌剤を選んだ理由を持つべきだと思う。
例えガイドラインで並列表記になっていても臨床経験や毒性プロファイル、投与方法など様々な処方決定理由はあると思う。
もしかしたら、それらの理由があって私に教えてくれなかっただけかもしれない。
だとしても癌患者の藁をもすがる思いで開始された抗癌剤治療を「強化キャンペーン」と表現するのは違和感がある。
医者に抗がん剤の処方理由を聞いてモヤモヤした話のまとめ
理想を抱いてオンコロジーMRになったけど理想と現実にはギャップがある。
また、大きな病院だから安心と思ってはならない。
自分が病気になっても絶対に診てもらいたくない医者も稀に遭遇する。
逆も然りで例え遠方であっても診てもらいたいと思う素晴らしい医者も多数いる。
信頼出来る医者かどうかを知る事が出来るのはMRとしての特権かもしれない。