みなさん、こんにちは。
現役オンコロジーMRのゆってぃーよ。
先日、読者さんからメールをいただきました。
国内中堅内資で生活習慣病を担当している35歳のMRさん。
仕事量が多くて大変だから、年収が下がっても業務量の少ない後発品メーカーへの転職を考えているとの事。
この事についてアドバイスが欲しいというメールでした。
本人了承のもと、今日はこの事について書いて行きまね。
国内中堅内資で生活習慣病を担当している35歳は日々の仕事に疲れきったらしい
相談をくれたMRのスペックはこんな感じ
氏名:久保田さん(仮名)
年齢:35歳
勤務企業:国内中堅内資系製薬会社
年収:850万円
勤務地:関東エリア(首都圏ではない)
担当製品:生活習慣病治療薬
担当施設:基幹病院と開業医(かなり広域)
一言で言えば「疲れた」んだって。
卸のしがらみや毎月の数字の詰め、講演会やWeb講演会、普段の仕事では使わない学術知識を確認する試験が3ヶ月に1回あるので勉強が大変、開業医のひたすら回り続ける毎日。
お金は500〜600万円くらいあれば充分なんだって。
奥さんのパート代が100万円くらいあるので生活に支障がない。
なので、年収が下がっても良いので業務量が少ない後発品メーカーに転職を考えているんだって。
後発品メーカーの業務量が少ないと言う現状で転職したいと思う発想が良く分からない。
後発品メーカーに転職すると、現状の850万円の年収が600万円くらいに下がるらしい。
それでも、後発品メーカーに転職を考えている。
後発品メーカーは基本的には講演会もWeb講演会もない。
学術的な問い合わせがきたら「先発品メーカーに聞いてください」で完了する。
院内行事の参加もほぼ無いし、卸対応も今より楽、医者というよりは薬剤師や事務員との面会がメイン。
現在、働いている中堅内資の生活習慣病MRよりは業務量がはるかに少なくなるので年収が下がっても良いのではないかという考え。
今現在の業務量を比較して今後何十年も働く会社を選択する意味が私には全く分からなかった。
そもそも後発品メーカーの存在意義がよく分からない
後発品を使用する意義は医療費の削減。
これは国の医療費だけでなく、患者の自己負担の医療費も同様の考え。
そんな事は誰でも知っている事でしょう。
今後、厚生労働省は特許が切れた薬剤(長期収載品)の薬価を後発品と同じくらいに下げる事を表明している。
先発品と後発品の薬価が同じであれば、後発品を使用する意味は何なんだろう?
もっと言えば、リリーが発売しているインスリンの特許が切れて、その薬剤の後発品をリリーが発売したわよね。
米リリー 高薬価インスリンのGEを発売(ミクスOnline)
こんな世の中になってきているのに、後発品メーカーの存在意義は何なんだろう?
この現状の中、後発品MRは仕事が楽だから転職したいと言う気持ちがよく分からない。
そもそも勉強したくないならMRは辞めた方が良いと思う。
世の中に仕事なんて数えきれないほど存在する。
別にMRが最も良い職業だとは思わない。
向き不向きもあるのでMRで勉強をしたくないと思うのであれば違う職業を選択すれば良いと思う。
後発品MRが勉強もいらないし、講演会も無いし仕事が楽だから年収が低くてもQOLが高く費用対効果が高いと考えるのが浅はか過ぎるでしょう。
逆を言えば勉強が出来なく講演会も捌けないMRに何の価値があるのか?
全ての領域において今後はMR削減は加速度的に進行していくでしょう。
でもね、全ての領域が同じスピードで削減していくわけではない。
サノフィが昨年に続いて2019年も早期退職(リストラ)やりますよ。今回も、やはり辞めてほしいの生活習慣病MRだって
そこにはサノフィのように優先順位が必ずある。
存在意義が危ぶまれている後発品メーカーに勤務している、勉強も出来ず講演会も捌けない後発品MRは絶滅危惧種ⅠA類(近い将来絶滅の危険性が極めて高い)でしょう。
読者さんからの質問:後発品MRの今後はどうなるのでしょうか??将来性は??のまとめ
読者さんからの相談
「今の国内中堅内資で生活習慣病MRを続けるのが疲れたので、年収下がっても費用対効果の高い後発品メーカーへの転職を考えている」
後発品メーカーが費用対効果が高いとは全く思えなかった。
今後は特許が切れた先発品は後発品と同じくらいの薬価になる事を考えると後発品の存在意義は何なんだろう?
私は、そもそも後発品の品質をイマイチ信用していない。
後発品を使用して、本来入っていないドーピング違反薬物が混入していてレスリング選手が出場停止になった話は記憶に新しいでしょう。
レスリング選手のドーピング問題訴訟 沢井製薬と陽進堂は争う姿勢(ミクスOnline)
この訴訟における企業の見解は「違法薬物はちょっとしか入っていないから責任の範囲外」だって。
こんなリスキーな業界に今から飛び込む勇気は私にはありません。