みなさん、こんにちは。
現役オンコロジーMRのゆってぃーよ。
オンコロジーMRになって楽になった事が色々ある。
その中の1つに病院に薬剤を採用させる事が簡単という事。
私はオンコロジーMRになってから数製品、新薬の上市を経験したけど採用に困った経験がない。
対象の患者さんがおらず、採用まで時間が掛かった施設はあるけれども基本的には生活習慣病薬を採用させる事に比べれば数段簡単な作業だ。
その中で、今日は少し昔の話になるけれども抗がん剤の発売時に「宣伝許可が出ないから医者には会えない」って言っている、おっちゃんMRがいたので紹介していきます。
病院で薬剤を採用してもらうには幾つものプロセスがある。
開業医で薬剤を採用させるのは医者が処方箋を書けばいいだけ。
そして門前薬局に在庫を配置しておけば完了。
しかし病院はそうはいかず幾つものプロセスがある。
まずは薬剤部に指定された資料を提出する。
薬剤部に対して説明会を実施して薬剤師から質問を受けるヒアリング。
見積もり、削除候補品の選定。
これらのステップをクリアすると、薬剤部から「宣伝許可」が出る。
この許可を受けて初めて医者に新薬の宣伝が出来る。
このように一連の流れを書いてしまえば簡単に見えるけど、それぞれのステップにはハードルがある。
ヒアリングを実施するのにも既に同種同効薬がある新薬はヒアリングを受け付けない。
削除候補品が見つからないと宣伝許可を出さない。
卸が出す見積もりの値引きが少ないと宣伝許可を出さない。
これらの弊害を受けて宣伝許可が病院から出ないという事は結構ある。
でも私達が扱っているのは抗がん剤だ。
抗がん剤治療は残念な事に1つ、2つの薬剤で治療が完結する事はない。
抗がん剤って使っていくうちに効果を示さなくなるんですよ。
なので使っている抗がん剤も時間が経てば効かなくなり次の薬剤が必要になる。
そして治療のタイミングを逸すると一気に状態が悪くなったり、余命を縮める事になる。
そのような意味では抗がん剤は数があればあるほど良い。
例えば、既に3種類の抗がん剤治療を実施して、効果が無くなってきた患者がいるとする。
次、使える薬剤がもう無くて途方に暮れている中で新薬が出てきたらどうだろうか?
もちろん患者の状態にもよるけれども、まだ体力があり治療を望んでいるのであれば新薬は患者によって希望になるのではないか。
もう治療選択肢がないのでBSC(ベスト・サポーティブ・ケア)と言われるのと、次の治療を提案されるのでは、未来に対する希望が大きく異なる。
オンコロジーMRとしてこの信念は絶対に必要だと思う。
宣伝許可がもらえないから新薬の抗がん剤は医者に宣伝できません。
こんな事を言っている、おっちゃんMRが昔いた。
確かに私たちは決められたルールの中で働かなければならないと思う。
しかし薬剤部が宣伝許可を出さないから医者に新薬を紹介しないって許されるのか?
このスタンスが正しいかは分からないけど、私のプレイスタイルは薬剤部の杓子定規の宣伝許可は表上お付き合いする。
そして医者には薬剤部にバレないように上手くアプローチする。
「バレないように上手くアプローチする」という事が出来ないMRはオンコロジーMRとしてはやっていけないと思う。
医者にとっても、薬剤部が宣伝許可を出さないから癌治療が出来ずに患者が死んでも構わないとは絶対に思っていない。
薬剤部がMRに出す宣伝許可は、MRの宣伝活動の制限であって医者の処方権を奪う行為ではない。
医者が患者の為に使ってあげたいと思う抗がん剤があるのならサポートするべきだ。
ただ、薬剤部が宣伝許可を出していない以上、「バレずに上手くやる」これが絶対条件。
「宣伝許可が出ないのでDrに紹介できません」これではオンコロジーMR厳しいわのまとめ
薬剤部が宣伝許可を出さないから医者に紹介出来ないと主張する、おっちゃんMRがいた。
ルールは大切だが、それ以上に大切な事がある。
新しい抗がん剤は死に向かっている患者にとって希望の1つになる。
ただ、面と向かって「宣伝許可は無視する」とは言えないので方法は1つ。
「バレずに上手くやる」
これが出来ないのであればオンコロジーMRとしてやっていくのは厳しいと思う。
更に言うと自分で大して考えもせずに「バレずに上手くってどうやるんですか?」とすぐに聞いてくる人も厳しい。