MRのつらさ MRの本音・本質

後輩MRがコロナ禍での成功事例を発表したら「誤解を招く」と却下された話

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みなさん、こんにちは。

現役オンコロジーMRのゆってぃーよ。

MRの皆さんは営業所会議で何していますか?

弊社では営業所会議で取り組みの成功事例を発表して、良かった内容は支店会議などの大きな会議で発表することなどをしています。

後輩MRの話なんだけどコロナ禍で活動が難しい中、素晴らしい取り組みをした。

この成功事例を営業所会議で発表したら所長さんから「誤解を招く」という事で却下されていた。

いかにも製薬会社らしいと思える事例でしたので、共有していきます。




営業所会議で発表される典型的な成功事例集

営業所会議で発表される成功事例は傾向がある。

よくある成功例はこんな感じ。

①訪問禁止施設で活動が停滞している医者に電話アタック

→勇気を振り絞って電話を掛けたらWeb面談に繋がった。

こんな発表をさせて所長ちゃんが「みんなも見習って電話をするように!」などと言う。

そして他の電話を掛けて怒られた事例は絶対に表には出てこない。

②1ヶ月間のWeb面談実施回数30回

→これは確かに凄い話なんだけどカラクリがある。

実際は回数を稼ぐために直接面会時にWeb接続して回数を稼ぐ。

または仲良しDrに用事もないのにWeb接続をしてもらい世間話をして稼ぐ。

目的が医者に情報を届ける事ではなく、Web面談の回数になっているから、このような事になる。

しかし、これも所長ちゃん中身ではなく回数だけを引っこ抜いて「お前達も1日1回以上はWeb面談しろ!」などと言う。

後輩MRの成功事例はこれらとは毛色が違って、医者からも感謝されていて真の成功事例だと思うけど。

後輩MRは相手の性格や状況を察知した行動による成功事例。

後輩MRの成功事例を共有します。

ある基幹病院のある診療科の部長先生とのやりとりの話。

せっかちな性格で長い話は禁物。

アポイントは医局秘書さんが管理していて特定の日時に一気にメーカーを面談するようなルールだった。

コロナで病院訪問が禁止になったので当然、この先生に会えなくなってしまった。

この先生に対して、後輩MRは会社から言われ続けていた「Web面談依頼しろ!」「電話しろ!」「毎週メールしろ!」「郵送しろ!」などの指示を一切無視した。

訪問が禁止された直後に1度だけ、このようなメールを送った。

「新型コロナウイルス感染症が大変な状況ですが診療頑張ってください。何か必要な事がありましたらいつでも電話、メールでもください。決して先生の診療を邪魔するような活動を致しません。」

その後は医局秘書さんに講演会の案内などはするものの直接、この先生にはアプローチせずじっと我慢した。

そしたら、ある日その先生から電話があり「投与を検討している患者さんがいるので資材を送って欲しい」と言われた。

その際に後輩MRが、処方にあたって紹介したいデータがあると伝えてWeb面談を打診した。

結果、今までMRとはWeb面談を実施しなかった医者であったがWeb面談実施に至った。

相手の性格や状況を察知して、あえて我慢することによって、処方もしてもらえたし、Web面談の実施まで進展したという成功事例。

しかし所長ちゃんは成功事例としては却下した。




この取り組みは誤解を招くので全体で共有する成功事例には適していない。

病院の状況、先生の性格などを鑑みて、あえて一歩引いて受け身で待つ。

そしてアナウンスしたい内容は医局秘書にお願いする程度。

それが、この先生には良かった。

現にWeb面談した際にこの先生から言われた事。

「MRとWeb面談したのは初めて。どのメーカーも一方的に大量のメールや郵便物を送ってくる。初めの頃は開封していたけど、どれも中身の無いないものばかり。そして電話を掛けてくるような失礼なMRもいて考えられない」

きっと、会社の指示通りの行動をしていたら、この先生からは確実に嫌われていたでしょう。

会社から受けるプレッシャーを受け止めて、医者の立場になってアプローチ方法を工夫したと言う素晴らしい成功事例だと思う。

しかし、この成功事例が公になってしまうと会社の指示がブレてしまう。

メールして、電話して、郵便物を送りつける行動が「成功事例」になっている以上、この後輩MRの取り組みは相反する行動になってしまう。

なので成功事例としては扱わないと言うのが所長ちゃんの考えだった。

もちろん、後輩MRの事例は1例報告なので結論にはならない。

しかし、いきなり電話を掛けて繋がった事例も少数報告でしょう。

それと同じかそれ以上に、電話を掛けて怒らせる事例もある。

後輩MRの成功例がたまたまでこれが全てだと思ってしまえば誤解を受けると言うのであれば、いきなり電話を掛ける行為も同じだと思う。

後輩MRがコロナ禍での成功事例を発信したら「誤解を招く」と却下された話のまとめ

後輩MRの取り組みは真の成功事例だと思う。

医者の立場、状況、性格を察知して、会社の方針とは異なる対応をして一歩引いて待ちの態勢をとった。

結果、医者から信頼感を得て他メーカーでは出来ないWeb面談も実施出来て処方にも繋がった。

これを営業所会議の成功事例取り組みで発表したら所長に「誤解を招く」と言われて却下された。

1つの事例で全てを語るのは間違っている。

しかし、そもそも他の成功事例は大抵、1つの事例報告でしょう。

「電話を掛ける」成功事例はその裏で、医者に迷惑を掛けて怒られるMRが山ほどいる事を忘れてはいけない。

因みに私もコンタクト取れない医者に電話を掛ける事はある。

しかし電話は最終手段だし、電話を掛けるに相応しい理由がある時と決めている。



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