みなさん、こんにちは。
現役YouTuberMRのゆってぃーよ。
先日、日刊薬業に大日本住友製薬の会長さんのインタビューが掲載された。
この記事を読んで大日本住友製薬の会長さんは気取らず、正直な心境をコメントしてくれていると感じました。
是非、日刊薬業にログインして全記事を読んで欲しい。
人員削減進む製薬業界 大日本住友製薬・多田正世会長、製品変化と雇用確保で経営者も苦悩(日刊薬業)
今日は記事を読んで改めてMRと製薬会社の将来について考えていきます。
大日本住友製薬は現在どんな状況ですか??
国内製薬会社売上ランキングでは第7位の製薬会社。
外資と合わせるとイメージ的には中堅製薬会社という位置づけ。
売上4500億円のうちに1845億円(構成比率約40%)がラツーダという統合失調症の薬に依存している。
このラツーダが2023年に特許が切れるという危機的な状況。
ラツーダに変わる大型製剤を開発するべく積極的なM&Aなどを繰り返しているけど結果に結びつかない。
中長期計画書に記載あるコア領域は「精神」「がん」「再生医療」の3本柱。
「がん」で大型製品化を目指していたナプバカシンが大腸癌、胃癌、膵癌の臨床試験が最終段階のphaseⅢで尽く失敗で開発中止になっている。
そんな事もあり2017年に早期退職を実施しているわよね。
早期退職者募集に関するお知らせ(大日本住本製薬プレスリリース)
この早期退職を実施する時に当時の社長が「MRは余剰だ!」と言って話題になったわよね。
このように色々な事をしているけれども好転しない。
そして2019年にはコア領域として掲げていなかった糖尿病領域でNo1になると社長が記者会見をしたわよね。
この辺の一連の出来事は過去記事にしているから確認してみてね。
大日本住友製薬が「MRが過剰」といってリストラしたのに方針転換して「MRを増やす」と宣言した訳
大日本住友製薬会長が語った経営者の苦悩とは
アメリカではIT進展に伴って過去10年でMR数を4分の1に減らした。
日本では労働法制が良い意味でも障壁となってMR削減はアメリカほどは進んでいない。
この状況を踏まえてインタビューが始まっています。
日本では有望な新薬が出てきても売れそうになると再算定を受けて薬価がガツンと下げられる。
財政状況から考えれば仕方ないけど、これでは市場は伸びていかない。
また長期収載品比率が高い製薬会社は人員が余剰になる。
長期収載品は後発品に切り替わっていくので価値を維持する情報提供が必要とされない。
各製薬会社がこのタイミングで早期退職を実施しているかの理由は「まだ会社に利益があるうちに」という事。
利益が出なくなってから実施しては特別加算退職金も払えず辞めさせられた社員が生きていけない。
今後のMRは主に病院市場に専門性の高い医薬品を提供する構成に変化していく。
MRが大勢必要な開業医市場は1番後発医薬品に置き換わるし専門性の高い医薬品を処方しない。
大日本住友製薬の会長も今後厳しい会社と生きていけるMR像を暗に述べていた。
現在の大日本住友のように大型製品に依存する経営体制は厳しい。
特許切れもあるし売上が高まれば再算定で一気に薬価を下げられる。
長期収載品比率の大きい製薬会社も一気に後発品に切り替わるので厳しい。
そして開業医市場に非専門的な薬剤を情報提供しているMRも厳しい。
この言葉を分析すれば必然的に、どの会社を選べば良いかが分かる。
専門性の高い有望な新薬を定期的に発売出来る会社で専門病院に活動するMRが1番生き残れる可能性がある。
開業医担当MRは存在価値が限りなく0に近づいていく。
これは偏見ではなく大日本住友製薬会長の見解。
そしてバイオベンチャーに飛びつくのも良いけど大型製品依存経営はリクスが大きい。
結果的には研究開発に十分な投資が出来る資本力も大切だと思う。
大日本住友の会長が語った経営者の苦悩が本音だと感じた。MRと製薬会社の将来を考える話のまとめ
大日本住友は生き残るために必死にもがいている。
それでもなかなか好転していかないのが製薬業界の難しさなんだと思う。
会長は今後のMRは主戦場は開業医市場ではなく、専門病院に専門性の高い医薬品を扱うMRと言っている。
現役MRの皆さんは現在どのような施設でどのような製品を扱っていますか?
アメリカは、この10年で全体の75%のMRが消滅しました。
日本も必ずMR削減は加速していきますよ。
削減のスピードが上がってから身の振りを考えても遅い。
危機感を感じたら妄想ではなく行動が大切だと思う。
まずは情報収集からでも始めるべき。