みなさん、こんにちは。
現役オンコロジーMRのゆってぃーよ。
昨日このような記事が出ましたね。
ノバルティス 営業所を廃止 全国6事業所に集約 「新しい働き方の実現」へ(ミクスオンライン)
現在、COVID-19で営業所に出勤しない日々が続いている私達にとってはタイムリーなお話ですよね。
今日はノバルティスの営業所廃止についてメリット・デメリットも含めて考えていきたいと思います。
ノバルティスが営業所を廃止する根本的な理由は何ですか?
ノバルティスは2015年から営業所削減に取り組んでいましたよね。
2015年当初は76拠点あったけれども2020年4月から営業所全てを廃止して全国6事業所で運営開始しました。
全国にある6営業所も決められたMRのスペースはなく、基本的には営業部長と特約店担当の人達の席のみ。
MRはもちろん営業所長も基本は自宅から直行直帰のビジネススタイルにシフトチェンジ。
ノバルティスとして今回の方針展開した理由は家族との時間を増やすなど「新しい働き方を実現する」ためと回答している。
内勤は在宅勤務が基本になる事に伴って従来の書類の手続きが簡素化・電子化されサポート体制も整えるとの事。
MRの削減は目的としていないと表明。
営業所が無くなる事とMRが削減する事は直接関係ないとすぐに分かるのに、それをあえて取り上げて回答している時点でMR削減論はセンシティブな話なのがよく分かる。
全国の営業所が削減されればコスト削減に大きく貢献出来る。
もちろん働き方改革の一環で社員のライフバランスを整える目的もあると思う。
しかし会社側にとっても大きなメリットになるでしょう。
全国にある営業所が無くなれば、それにかかる家賃、光熱費などが全て無くなる。
そして毎日、内勤をする為だけに車を走らせて出勤するMRがいなくなれば、ガソリン代、高速代、駐車場代の削減にもなる。
そして営業所にいる内勤の事務員(大抵は派遣社員)も不要になるので、それにかかる人件費も削減になる。
MRからしたら「会社に行く」という往復の時間が削減される。
会社からしたら営業所にかかる固定費が削減される。
双方にのってメリットのある取り組みだと思う。
他の製薬会社も営業所削減に追随する事は間違いなけど弊害もあるかもしれない。
営業所が無くなっても本当に仕事が回るのか不安に感じている会社も多かったと思う。
でも昨今のCOVID-19で在宅勤務が当たり前に出来る事が分かったので今後は間違いなく追随する企業が増えてくるでしょうね。
でも弊害がないわけではない。
①資材の管理スペース
営業所が無く自宅で仕事をするのであればMR活動で使う資材、説明会で使うプロジェクター、スクリーン、台車などの管理。
大きな講演会を企画した際には大量の資材を自宅で保管しなければならない。
これらの資材などを自宅で管理しなければならないケースが出てくると思う。
②内勤が全て自宅で実施するとなれば光熱費の負担。
真夏、真冬であればエアコン代がバカにならないでしょう。
会社としては十分な住宅補助をしている
だから、その中で賄って欲しいという主張になると思う。
今までより負担は増えると思うし、今までより資材を置くスペース確保の為に広い部屋が必要と思う動きも出てくると思う。
③国内企業でありがちだけど、営業所の内勤が正社員の場合に雇用問題。
営業所が無くなったら、どうするのか?
ノバルティスのケースは大抵が派遣社員で構成さえているので問題ないかもしれないが内資は正社員のケースがある。
内勤の仕事がなくなってしまえば配置転換でMRや工場に異動なども出てくるでしょう。
これに関しては痛みを伴う改革になるでしょうね。
内勤職は2030年にはかなりAIに淘汰されると予想されている典型だと感じる。
2030年に日本はどのような社会になっているか?MRの立場から将来を考えた話
ノバルティスの営業所廃止を受けて追随する製薬会社が増えてくるだろうと思う話のまとめ
ノバルティスが営業所廃止を実施。
今までもバイオベンチャーなどの一部の外資系企業では営業所無しというケースはあったでしょう。
始めから無ければ問題にならない。
あったものが無くなる時に弊害や不満が出てくるんだと思う。
新人育成という観点ではオンラインよりも対面の方がお互いやりやすい。
でもオンラインに舵を取った以上、このやり方で成長できる新人だけが生き残れるのだと思う。
資材管理スペース、在宅勤務による光熱費増大、内勤正社員の雇用。
色々な弊害や不満は出てくると思うけど変化に対応できたMRだけが生き残れると思う。
そして変化に対応出来れば無駄が無くなり生活の質は間違いなく向上していくでしょう。
個人的には営業所が無くなってオンライン化が進めば所長が管理できる部下の人数も増やせると思う。
なので管理職の削減は加速すのではないかと予想しております。