MSのおはなし

GSKがメディセオと地方卸との取引止めるってよ。MR以上にMSが厳しい話

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みなさん、こんにちは。

現役オンコロジーMRのゆってぃーよ。

なかなか痺れる記事がリスファックスに出ましたね。

GSK、メディセオや地方卸との取引停止 国内9位の大手企業の決断に波紋、他卸も「対岸の火事ではない。」

来年4月以降はGSKはメディセオと取引しないんだって。

GSKといえば国内年間約3000億円近く売り上げるメガファーマ。

メディパルホールディングスで19年のGSK取引が約520億円。

この520億円の売り上げが来年から一気に吹き飛ぶ。

520億円の売上減の補填はどこでするのか?

医薬品卸の利益構造は薄利多売。

営業利益率が1%〜1.5%くらいを推移していて、少ない利益を得るために多くの売り上げを必要としている。

そして今回はGSKの話だけれども今後、他の製薬会社もこのような流れになってくる事は大いに考えられる。

今日はこの事から考えられる色々を紹介していきます。




なぜGSKはメディセオと地方卸との取引を止めるのか?

理由は公になっていないけど難しい話ではない。

国内は大手4社(メディセオ、アルフレッサ、スズケン、東邦)で80%のシェアを取っている。

大抵の製薬会社はこの大手4社と当たり前に取引をしている。

ただ4社と必ず取引しなければならない理由はない。

4社が自由に取引価格を下げて医療機関と取引してしまえば21年から始まる毎年薬価改定で実勢納入価格が低くなり薬価が下がる可能性が高くなる。

そのようなリスクを回避する為にも特定の卸との取引で納入価格を安定させた方が良い。

そもそも4社の卸に対応する労力もコストになる。

メディセオとの付き合いを今後断絶すればメディセオに対する業務量が減る。

これはMRだけでなく特約店担当や本部の業務も軽減される。

メディセオでなければ届けられない医療機関が存在する訳でなないので薬価安定、業務効率を考えて取引卸を絞るのは当たり前といえば当たり前の行動だと思う。

昨年1月にノボ ノルディスクファーマが今回のGSKと同様にメディセオとの取引を止めた。

ノボ取引卸を削減へ薬価制度改革など市場環境悪化で物流にメス 他の外資に波及の可能性も(ミクスオンライン)

今後、このように取引卸を絞り込む製薬会社が追随していくと思う。

薄利多売の経営を強いられている医薬品卸はメガファーマが突如取引停止になれば死活問題になるでしょう

でもノボにしてもGSKにしてもなぜメディセオなんだろう。

卸の中でメディセオが最も大きな会社だしAR(MR認定資格保有MS)が多数在籍していて一見強みに感じるが、アルフ、スズケン、東邦とは異なる取引中止したい理由があるのかと推測してしまう。

MR不要論の何倍もMS不要論が実際の数字から実感出来る。

今回GSKがメディセオとの取引を中止する事によってメディセオは単純に約520億円の売上減になる。

そして今までGSKからもらっていたリベートやアローワンスなどの金銭的なサポートもなくなる。

そうなっていくと益々経営の悪化が想定される。

ただでさえメディセオは給料の高い営業職(MS)を10%、給料の安い配送担当に配置転換などを実施している。

減少してるのはMRだけじゃなくMSも着実に減少している。メディセオMSの10%が配送担当に配置転換だって

このような痛みを伴う改革をしているが依然厳しい状況である。

このメディセオの配送担当の記事にも紹介しているけどMSの人口が激減しているのはご存知だろうか?

こちらは日本医薬品卸売業連合会のHPから引用した卸会員会社の従業員・MS数の推移グラフである。

MSの人口は2004年22471人に対して2020年16011人と6460人も減少している。

この16年間でMSの人口は約40%も減少している。

MRも同様に減少トレンドであるのは確かだがピーク時に比べて今の段階では約15%くらいの減少になっている。

そう考えてもMS人口40%減ってめちゃくちゃ厳しい数字でしょう。

ちなみに医薬品卸の全従業員数は大して変わっていない。

営業職(MS)が配送員に配置転換しているケースが多い事が想定される。

今後も製薬会社の取引停止が続けば益々厳しい状況になる。

そしてアルフレッサのようにヤマトなどの配送業社と業務提携をしていけばMS達は配送員への配置転換まで許されない状況になるでしょう。

ヤマトが医薬品配送を開始。毎年着実に減少しているMSの存在意義を考える。




GSKがメディセオと地方卸との取引止めるってよ。MR以上にMSが厳しい話のまとめ

GSKが来年の4月からメディセオとの取引を止めるらしい。

理由は公になっていないけど薬価安定と業務効率化が主な理由だと想像する。

でも昨年のノボもメディセオとの取引止めて何でメディセオを切るんだろうね。

薄利多売の経営体質の卸にとって突如、メガファーマが取引停止するのは死活問題だと思う。

このような事が続けばMS減少論に拍車がかかるでしょうね。

現にMSの人口はこの16年間で40%も減少している。

配送員も今後は運送業との業務提携で減少していく事が想定されている。

卸も厳しい状況ですよね。

どのようにMSの存在価値を示すのか?

ちなみに、どんなに厳しい状況だからって犯罪に手を染める事は許されない。

医薬品卸4社の談合疑惑などの会社の不祥事がある度に各社の企業理念を見てしまう話




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