みなさん、こんにちは。
現役オンコロジーMRのゆってぃーよ。
フォーミュラリーってご存知ですか?
生活習慣病MRであれば、既に知っていて日々怯えていることでしょう。
もしフォーミュラリーを知らない生活習慣病MRは本当にやばいわよ。
今日は政府も本腰を入れて取り組もうとしているフォーミュラリーとMRの関係性について書いていきますね。
フォーミュラリーとは
なんか格好良い名前よね。
でもね、先発品製薬会社にとっては、かなりヤバい制度の事よ。
医薬品を有効性と安全性と経済性を評価して、どの薬剤を使えば良いのかを示す指針よ。
例えば胃薬の「みかん錠」と「りんご錠」という薬剤があるとする。
そして、みかん錠の特許が切れて「冷凍みかん錠」が発売されました。
医者は何を使いますか?
当然、みかん錠の後発品である「冷凍みかん錠」を使うでしょう。
でも、まだ特許の切れていない「りんご錠」もMRが熱心に宣伝してくるから処方しようとなるでしょう。
それを、許さず「冷凍みかん錠」を処方しないといけなくなる制度よ。
みかん錠よりも、りんご錠の方が有効性や安全性が優って入れば問題ないけれども生活習慣病薬なんて何を使っても大差がないのが現状でしょ。
これは医者自身も感じている事だし、ガイドラインでも横並びに明記されている薬剤って多いでしょ。
そういう薬剤群は医師の処方権は関係なく「りんご錠」は使えず「冷凍みかん錠」を使わなければならないという制度。
実際の薬剤ベースで書いてみましょうか。
フォーミュラリーが浸透すれば特許が切れてなくても使われなくなる。
少し前の2017年のデータだけど分かりやすいから書いていきます。
(answers newsより)
国内の医療用医薬品売り上げTOP10よ。
年間865億円売り上げるPPIのネキシウム
年間730億円売り上げるARBのアジルバ
これらの薬剤はほぼ絶滅されるのがフォーミュラリーよ。
ネキシウムはタケプロンのゾロを使う。
アジルバはブロプレスのゾロを使う。
これらの薬をMRが必死に宣伝したところで使われないわよ。
抗がん剤だからと言って安泰とは言えない。
抗がん剤のアバスチンも後発品の承認されて発売待ち状態でしょ。
同じ作用機序のサイラムザという抗がん剤がある。
このようなケースで適応症が同じであれば、サイラムザが使われずにアバスチンの後発品が使われる事になるでしょう。
なので、今後は唯一無二の薬剤でない限り、どんなに宣伝しても使われなくなるって事なのよね。
あ〜恐ろしい。
フォーミュラリーはどこまで浸透しているの?
こんな恐ろしい制度は、まだまだ先の将来の話でしょ。なんて思ってない?
そのヨミは間違っていて、すぐそこに迫っているわよ。
実際、東京医科歯科大学、昭和大学、聖マリアンナ医科大学、浜松医科大学なんかは既にフォーミュライリーを取り入れているわよ。
これらの大学病院でネキシウムやアジルバを担当しているMRは可哀想よね。
個人の努力とは関係のないフォーミュラリーという制度で使われない。
院内フォーミュラリーだと、処方箋で外の薬局に出てしまえば強制力が働かない。
なので、医師会や薬剤師会と協業して地域フォーミュライリーも徐々に浸透していっているわよ。
山形県や静岡県では積極的に取り組んでいるみたいよ。
こうなったら、特定の病院の話ではなく地域全体の話になってくるので、いよいよMR削減論が現実味をおびてくるでしょう。
生き残る製薬会社、生き残る薬剤、生き残るMRを考える。
もう皆さんもお分かりだと思うけど、今後生き残る為に考えるべき事はこちら。
唯一無二の薬剤を開発出来る製薬会社に勤める。
二番煎じの薬剤や生活習慣病薬はもういらない。
専門性が高く、他剤に比べて明らかに優れているか、唯一無二の薬剤担当MRになる。
このような製薬会社でMRをしない限り生き残れない時代がくるわよ。
現状のフォーミュラリーは生活習慣病(ARB、スタチン、PPI、抗生剤等)が中心に取り組まれている。
みなさんが大丈夫ですか?
他剤と大差ない生活習慣病薬を人間関係のみで商売してませんよね?
ここまでの状況が迫っている中で、どうにかなると思っていませんよね?
いつの日か、抗がん剤にもフォーミュラリーが導入される日がくると思う。
でも副作用がほぼ100%必発で使い続けるうちに耐性(PD)になってくるので選択肢を多く揃える必要がある。
そう考えれば、生活習慣病MRよりも抗がん剤MRの方が生存期間が長いのは明らかよね。
フォーミュラリーが浸透したらMRが激減する。まずは生活習慣病MRから絶滅のまとめ
フォーミュラリーが浸透したら、自社医薬品の特許は関係ないわ。
その薬剤が他剤と変わらないパッとしない薬剤であれば問答無用に他剤のゾロに切り替わるのがフォーミュラリーよ。
「フォーミュラリー」とネット検索をすれば、びっくりするほどヒットするわよ。
厚労相も中医協も毎回会議の議題にあげている取り組み。
間違いなく言える事は生活習慣病MRに未来はないので専門領域MRに今すぐ転身するべきという事。
生活習慣病MRは今一度この制度について学んでほしい。
こんにちは。
生活習慣病領域で学術担当してる者です。
うちは生活習慣病領域しかないので戦々恐々としております。うちの会社の今後が不安です。
有用な記事ありがとうございます。
ぱっぱら大臣さん
コメントありがとうございます。
MRはいつも被害者だと思います。
CASE-J事件もディオバン事件も会社の中枢の人間たちが「患者さんの為に」という呪文で洗脳させてMRを動かせていた結果だと思います。
ファーミュラリーの環境下では自社医薬品の同種同効薬でガイドライン上も並列であれば「患者さんの為に」自社医薬品を使わずに
他の後発品を使ってくださいとアプローチするべきです。
ぜひ、本社で勤務されている優秀な方々が正常なマインドでMRを教育してくれることを切に願っております。
拝啓
いつも関連記事、拝見しております。
当社の昨年の早期退職時には大変参考になるブログ、感謝しております。
同世代の仲間達と情報共有して乗り越えました。
MRを長年しておりますがやはり大事な点は専門性と慰労従事者からの信頼、
これに尽きると再認識しました。年齢的には厳しいですが、
自身の持っている専門性を生かせる企業に挑戦してみようと思います。
うーたんさん
コメントありがとうございます。
現実に目を背けず、将来起こりうるリスクに立ち向かう姿勢は尊敬します。
「自分が持っている専門性」は必ず活きる場所があると思いますので応援させていただきます。
情報ありがとうございます。勉強になりました。
匿名ですみません。私は、広域担当の医療機器営業なのですが、機器調整をしたあとの次のオペまでの待ち時間もありましてMRさんたちを良く拝見いたします。待機中のMRの皆さん5−6人の集団の行動を見ていると、時間の多い順から①IPADやiPhoneをみる、何か入力もあるが普通にNETサーフィンの様子。②MR同士の日常会話。③目の前を通過する先生への会釈。④セミナーの案内状を手に持って先生によろしくお願いします程度の1−2分の立ち話。以上で各MRさん2時間の様子です。他の病院でもこのパターンをよく見ます。で、中には、先生に会わずにそろそろお先に失礼と30分MR同士雑談していなくなる人もいます。特に注目は①の行動で滞在時間の70−80%を消費しています。
これが、実態です。たまたま見た病院での景色ではなく、都会でも田舎でも私がよく見ている10年前からの変わらぬ景色です。私の医療機器営業も10年後にはなくなるかもでもですが、MRは早晩、高速道路でETC導入で料金所の方々がほぼいなくなったのと同じように急速にいなくなると私は思います。専門性もNET情報で代替え可能ですしファーミュラリーも進展するでしょう。希望的なバイアスを捨ててもっと冷静に状況を見た方がいいと思いますし、現在でも前述の営業活動のリアルな実態を目にすると、そもそもという感じもありますが、、、。
MRでは無いが医療機器の営業担当さん
コメントありがとうございます。
あなたが見ている景色がMRの実状そのものだと思います。
そんなMRに年収1000万円+超手厚い福利厚生です。
決して違法な事はしておらず、これがMRとして当たり前の仕事で
約束された報酬なんですよね。
しかし、このような環境が続くわけがないと思います。
フォーミュライリーに関しては少し情報をたして近日中にYouTubeでも解説予定です。