医者のお話

厚労省がジェネリック80%を目標にしているが処方する医者が自分では服用したがらない話

投稿日:

みなさん、こんにちは。

現役オンコロジーMRのゆってぃーよ。

厚生労働省が2020年9月時点の保険者別の後発医薬品使用割合を発表しました。

保険者別の後発医薬品の使用割合の公表について(令和2年9月診療分)(厚生労働省HP)

厚生労働省は後発医薬品は先発医薬品と治療学的に同等であると定義している。

治療効果が同じにも関わらず開発費用がかかっていないので薬価が安い製品。

医薬品は基本的には公費7割、患者負担3割で構成されているので、安くなるという事は国にとっても患者にとってもメリットがある。

国は後発医薬品の使用促進の為にできる限り早く後発品の使用割合を80%以上にしたいとかねてから表明している。

何度も言って申し訳ないが、効果が同じであれば、安いに越した事ない。

80%なんて言わずに100%後発品になれば良いと感じている。

効果が同等って誰が、どのように判断するのですかね?

もちろん、基礎的な実験などで同等性を証明する事はあるだろうけど、臨床で使われて、後発品を服用した患者がどのような経緯をたどったかという結果が1番大事だと思う。

実際に後発品を服用して、どのような経過をたどったかを1番理解しているのは間違いなく医師でしょう。

この医師が後発品をどのように評価しているのか?

ここが1番大切なポイントだと思う。




後発品使用割合の全国平均は78.2%に対して医師国保の後発品使用割合はかなり低い

今回の厚生労働省の発表では、全国平均78.2%に対して、医師国保の使用割合は1番高い地域(沖縄県医師国保)でも73.8%だった。

低い地域だと香川県医師国保54.7%、高知県医師国保54.9%、徳島県医師国保55.4%になっている。

不思議ですよね。

後発品は効果が同じで安いのでメリットしかないのにも関わらず、低い医師国保だと後発品を選択している割合が55%前後。

45%は後発品の服用を拒んで先発品を選んでいる医師国保が存在する。

なんで、そんな事が起きてのか?

一般的な消費を考えた時には、同一の品質であれば安い方が選択される。

もしくは価格が高い商品を選ぶ際には、付加価値があるなど副次的なメリットがある事がポイントになる。

医者は医薬品の効果についても最も見識が高く、日々、目の前で医薬品を服用している患者を目の当たりにしている。

この医者が後発品を服用したがらないという現実を厚生労働省はどう感じているのか?

私は厚生労働省が言っている後発品は先発品と同等の効果があると信じている。

私は厚生労働省が言っている「後発品は先発品と同等の効果がある」と言っている事を信じていますよ。

なので、今シーズンの花粉症で服用する抗ヒスタミン薬は後発品を希望しました。

しかしながら薬局で後発品の処方を断られて結果、先発品を処方されてしまった。

後発品は効果が同等で安く、製造メーカーも超品質と謳っていたので服用したかったが残念だ。

薬剤師に聞くと次回の納入目処も立っていないので先発品を服用して欲しいと言われた。

「超品質」を理念にしていた日医工が「超低品質」な薬剤を製造して業務停止処分を受けて感じた事

後発品メーカーMRに医者が質問をすると「質問は先発品メーカーに聞いてください」と言われ、資材のリクエストをすると「先発品メーカーに依頼してください」と言われる。

今は後発品メーカーも資材は充実してきていると聞くが、質問は受け付けませんというスタンスは変わっていないMRが一定の割合で存在すると医者が言っていた。

また最近の学会発表ではあまり見かけないが、以前はよく、先発品と後発品での副作用の違いや治療継続率について発表しているポスターを良く見かけた。

厚生労働省は後発医薬品の使用割合80%と連呼しているが、まだまだ実態が伴っていないと感じる。

使用割合を増やす前に、偽りのない「超品質」の後発医薬品をメーカーに製造してもらい、情報提供出来るMRを育成する方が先だと思う。

今のままでは、数字だけにこだわったアホな製薬会社のSOV戦略と有意差がない。




厚労省がジェネリック80%を目標にしているが処方する医者が自分では服用したがらない話のまとめ

おかしいですよね?

厚生労働省は後発品は先発品とは同じ治療効果が得られて、尚且つ安いと説明している。

こんなメリットだらけの後発品を拒むなんて、おかしいですよね。

しかも一般世間よりも医薬品の見識、使用経験が遥かに豊富な医者が後発品を拒むなんて本当におかしい。

医者が後発医薬品に対して間違った評価をしているのか?

もしくは厚生労働省が同等と言っているが、実際は違いがあると、目の前の患者を見ている医者がそう判断しているのか?

どっちが真実なんでしょう。



-医者のお話

執筆者:


  1. モンスーン より:

    ゆってぃーさんが見落とされているのは意外でしたが、後発品を嫌う医師の一番の理由は「不安定供給」ですよ
    処方したらいきなり薬剤師から「この後発品ないのですが…」の問い合わせの嵐です
    これってかなり時間と労力の無駄なんですよ
    いちいちオーダーを変えるか薬局で別の後発品を依頼して卸に確認して…とやると辛抱強くなれない高齢の患者さんにまで負担大です
    平気で「利益ないから生産者止めま~す」と言い出すどこかの後発品メーカーなんてつゆ知らずの感性ですが

    • mrnoblog14 より:

      コメントありがとうございます。
      私の文章力の無さで勘違いをさせてしまいまして誠に申し訳ございませんでした。

      後発品の安定供給は最も初歩的かつ根本的な問題ですよね。
      決して見落としていた訳でもなく、安定供給が出来ていない現状を私が抗ヒスタミン薬をもらえなかった事で表現しておりました。

      そして、今回の記事は医者が後発品を処方したがらない事の問題提起ではありません。

      医者が目の前の患者には後発品を処方するのに、いざ自分が患者になったら後発品を服用したがらない事を医師国保比率から考えた記事になります。

      レストランでコックが客には提供するが自分では食べない料理みたいな観点です。

      そこはきっと供給の安定性以外のポイントがあるのではないかと考えました。

      もっと伝わりやすい文章を書ける様に努力します。
      ありがとうございました。

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