みなさん、こんにちは。
現役オンコロジーMRのゆってぃーよ。
私は定期的にチームの後輩MRと同行する。
少し前、先生との会話のテンポが後輩MR(仮名:山本くん)と全く合っておらず怒られた訳じゃないけど先生がかなりイライラした事があった。
今日はこの事について書いていきます。
テンポの早い会話をする医者に対して「それはですね〜え〜と、、、」と話す後輩MR
中規模病院のある診療科の部長先生との面会。
感染対策のした上で直接、外来での面談が許可された。
決して怖い先生ではないんだけど、ハキハキ話す元気な先生。
この面談に同行させてもらいました。
先生が「腎障害ある患者さんでも使えるの?」と質問した。
山本くんの回答
「腎障害の患者さんですね。それは、えーと海外の試験で腎障害を有している患者に投与するとAUCの増加が報告されています。ですので、えーと、そうですね、腎障害の患者さんは慎重投与になります。しかしながら禁忌にはなっていません。」
先生の返答
「うん、だから結局、使えるの?」
山本くんの回答
「ですから、腎障害の患者さんにおいては・・・」
先生のリアクション
「・・・・・」
山本くんは間違った事は言っていない。
しかし先生の引きつった表情がとても印象的だった。
相手が6のテンポで会話をしているのに、山本くんが2のテンポでしかも結論をなかなか言わないから全く噛み合っていなかった。
このままでは面談が終了してしまいそうだったので、そのからの会話は私が預かって話を進めた。
MRは営業職なので相手の状況に合わせて話を進める必要がある。
「俺はこういう人間だ!」という主張は営業職では通用しない。
相手のスタイルに合わせて自分のキャラを変化させて会話を進める事が絶対に必要だ。
ゴシップ好きの先生に、データの紹介だけして帰ってきても全く印象に残らないでしょう。
逆に用件を端的に話して欲しいと思っている医者にダラダラと世間話をしてもダメ。
そして話すスピードも大切だ。
ゆっくりおっとり話をする先生に対してスパスパ端的に回答しても盛り上がらない。
当然、逆も然りだ。
こんな事は営業なら当たり前だと思っていたが、自分のスタイルを相手に押し付けるMRを目の当たりにしてびっくりした。
ミラー効果を超絶不器用に実施して「真似してんの?」と言われる始末。
山本くんの同行後に面談のフィードバックをした。
「相手のテンポに合わせたり、相手の感情や表情に合わせた方がミラー効果で好感が持たれるよ。ミラー効果について、勉強して実践してみよう。」
山本くんは真面目な性格なので早速、ミラー効果について学び実践したと報告を受けた。
この実戦した時には、私は同行していないので詳細な状況は分からないが、結果的に怒られたとの事。
医者が眼鏡を触ったら自分も触り、医者が頭に手をやったら真似をして、医者が「〇〇だ」と言ったら「〇〇ですね。」と回答したとの事。
そしたら先生から「さっきからなに真似してんの?」と怒られたらしい。
ここまでくると感性、センスの問題になってくる。
この辺の事はMRのスキル以前の問題なんだよね。
学生時代の友人関係や部活、バイトや家庭環境など過去経験て大きく左右される。
良好な対人関係を築ける人は、ミラー効果を意識して話をする事はないと思う。
医者と会話のテンポが合わずに怒させた後輩MRの話のまとめ
山本くんは有名大学出身で家柄も良い。
でも会話のセンスが壊滅的に悪い。
そう考えると学歴も大切かもしれないが、それ以上に大切な事があると感じる。
MRのような営業職は、相手に合わせる対応力が必要だし、好感を持たれる立ち振る舞いが必要だ。
「俺はこういう人間だ!」と主張して成立するのはビッグダディくらいでしょう。