みなさん、こんにちは。
現役オンコロジーMRのゆってぃーよ。
今のMRは医者を接待漬けにして薬を使わせるような時代ではない。
薬剤の情報を提供して医学的に必要な時に処方されるという仕事にシフトしている。
でも人間関係が必要なくなった訳ではない。
オンコロジーMRになってから大学の教授に「抗がん剤を処方する時には担当MRの顔を思い浮かべてから処方する。」と言われた事がある。
今日は「MRの顔を思い浮かべる」の真意について解説していきます。
クリニックの忘年会で「一発芸大会で優勝した会社の薬を花粉症治療のメインにする。」と言われた事がある。
昔の人間関係の話。
今から10年以上前の私がまだ20代若手MR時代の思い出。
あるクリニックの忘年会に初めて参加した時、院長が初めの挨拶でこんな事を言い始めた。
「恒例の一発芸大会で1番面白いパフォーマンスをした会社の薬をメインで使います。」
冗談かと思っていたが実際に次の花粉症シーズンに最も処方されていたのが一発芸大会で優勝したMRの会社の薬だった。
製薬業界の実態を学ばされくれた出来事で、今でも鮮明に覚えている。
病に苦しんでいる患者を救う薬が一発芸の面白さで決まる。
当時はこれが現実だと思っていた。
プライマリーからオンコロジーに転身する時には「こんな理由で薬が決まるのは間違っている。」と思っていた。
そして今現在は効果も副作用も薬価もほぼ同じであれば医者はどのような理由で処方しても良いのではないか思う。
しかし、効果も副作用も薬価もほぼ同じの薬にマンパワーを投入するジビネスモデルは崩壊しているとも感じる。
少し話は逸れるが私が目の当たりにしたMRの一発芸集を過去紹介している。
この時代のMR活動と今のMR活動は全く違う。
戻りたいとは決して思わないけど、たまにあの時代を懐かしく思う。
人間関係で薬を売る時代じゃないのにMRの仕事に人間関係が必要なのか?
MRの基本業務は医薬品情報の提供と収集でしょう。
情報提供をするにしても医者が「このMRと会っても良い」と思ってもらえなければ伝える事が出来ない。
副作用情報を収集するにしても医者が「教えてあげよう」と思ってもらえなければ聞く事が出来ない。
対人で仕事をするのであれば人間関係を構築しなければ仕事が進まないのは当たり前の話でしょう。
そして本題の大学教授が抗がん剤を処方する時に担当MRの顔を思い浮かべると言った話。
抗がん剤は副作用がほぼ必発で起こる薬だし新しいデータがどんどん出てくる薬剤。
大学の教授であっても抗がん剤を投与するのには色々な神経を使う。
なので何かあった時に担当のMRに質問出来る関係性が必要と言っていた。
「このMRが担当しているのであれば何かあればすぐに連絡付くし質問にも的確に回答してくれる誠実さがあるから安心だ。」
このように考えると言っていた。
接待全盛期のような金で繋がったズブズブの人間関係とは異なるが、今でもMR活動をしていく上では人間関係は大切だと思う。
今の時代の人間関係はコミニュケーション力だけでなく、対応の早さや誠実さ、学術知識なども含まれると感じる。
人間関係だけで薬を売るのは無理だけど人間関係はMRにとって大切という話のまとめ
接待が出来ない今の時代であってもMRをしていく上で人間関係は大切だ。
MRの仕事が医者という人間を相手に情報を提供したり収集するのが仕事であれば容易に分かる事だ。
たまに頑固職人バリにコミニュケーション力が乏しいMRがいるけど、実際どんな感じで医者と話しているのか興味がある。
例え抗がん剤でも、例え超専門の大学教授であってもMR活動をしていく上では人間関係は大切だ。
私も教授から処方する際に顔を思い浮かべてもらえるようなMRになりたいと感じる。