ど〜も、みなさん、にーんにーちはー。
現役オンコロジーMRの〜ゆってぃーです。
MRというお仕事には様々なルールと規制がありますよ。
このルールをには監視するシステムがあり、ルールを破ると具体的な違反事例として公開されてしまいます。
今日はこのルールと監視システムについて解説していきますね。
MRが薬の宣伝をする時にはルールが存在する。
何でだと思いますか?
例えば、
MRが普通に宣伝していても、思っていたように売れない。
だから臨床試験のデータを改ざんして効果があるように見せよう!
もしくは本来は血圧を下げる為だけに使われる薬だけど、糖尿病にも効果があるって言っちゃえ!
うちの薬のよりも他社の薬の方が売れているから、他社品の悪口を言いふらそう!
こんな事をしたら、どうなると思いますか?
製薬会社のこんな悪い考えで薬の宣伝したら当然、患者さんに投与されてしまいます。
どうですか?
本当は5のパワーしかない薬に10のパワーがあると信じて薬の飲み続けている患者さん。
本当は血圧を下げる効果しかないのに、糖尿病にも聞くと信じて薬を飲み続ける患者さん。
本当は他社品の方が効果も安全性も良いのに誹謗中傷により、それよりも効果が劣る薬を飲み続ける患者さん。
特に薬は、生命に直結する商品なだけに、このような悪意ある行動は許されないですよね。
ちなにみ、いま上げた例えは全て過去に製薬会社が実際にやっていた悪い事です。
びっくりするでしょ。
こんな幼稚園児でも分かるような良し悪しの分別が製薬会社が出来ていないんから。
そして、有名芸能人をマスコットキャラクターにおいて実際の効果とは別にイメージ戦略を展開していた事も今考えれば患者さんにとって不利益しかないと感じる。
製薬会社の「売れれば良い」という考えに、とうとう厚生労働省が本気で怒りました。
決して今まで何をしても良いと許されていたわけじゃないよ。
昭和35年に制定された「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び、安全性確保等に関する法律」で取り決めはしていた。
それにも関わらず、製薬会社はこの法律を無視したり、自社に有利な拡大解釈をして傍若無人な行動をとっていた。
これに、とうとう本気で厚生労働省が激オコになりました。
新しく医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドラインを作りました。
このガイドラインに具体的に禁止事項を記載してあるから、もしこのガイドラインを破ったら吊るし上げるからな!って厚生労働省が発信しました。
医療用医薬品の販売情報提供に関するガイドラインの目的は「製薬会社の販売情報提供活動の適正化」
このガイドラインで禁止している事は虚偽、誇大な表現、承認外の使用推奨、科学的に根拠がない紹介
他社品の誹謗中傷、疾患の罹患や症状を煽り立てる事、医療用医薬品以外の治療手段がないと誤認させる事
このガイドラインを破ったら今度こそ許さない。
でもこのように具体的に禁止事項を示していても、また製薬会社は自社に良いように拡大解釈をしそうだな。
という事で、本当に約束守っているか、調査します。
このモニター制度が発足した当初は、厚生労働省から委託を受けた医療機関が、MRの違反事例を報告していた。
しかし現在では全ての医療機関対象にこのモニター制度が行われているわ。
製薬会社が医療機関に情報提供をして、違反行為や疑わしい事案があれば、医療機関が厚生労働省に報告する。
そして事実確認をして厚生労働省が該当製薬企業に行政指導をするという流れ。
ガイドラインで明確な禁止事例を規定して、それを監視するモニター事業もある。
この状況下で違反する製薬会社や、MRなんて絶対いないと思いませんか?
でもね、違反事例が多数報告されてるんですよ。
そして調査期間もたった8ヶ月という限定的な調査であったのにも関わらず74件の違反事例がありました。
次からは全てを紹介するとキリがないので、中でも特徴的な事例を少し紹介しますね。
MRの悪意ある営業 違反事例①
医薬品の種類は鎮痛剤なので痛みを鎮(おさ)める薬。
にも関わらず、MRが他院では呼吸抑制に使用していると宣伝。
適応外の話だし、他院の使用情報という科学的根拠に乏しい内容。
擁護のしようがない違反行為ね。
MRの悪意ある営業 違反事例②
医薬品の種類は脂質異常症。
この薬は他剤との併用が必要な薬剤。
にも関わらずMRからゾロの安価な薬と一緒に処方して、その薬は「飲まなくていい」と説明すれば単剤で使う事が出来ると説明。
用法用量を逸脱した適応外使用を促す行為。
完全にアウトでしょう。
MRの知識の無さから起こった違反事例①。
医薬品は抗精神薬。
この薬にQT延長の報告があるのか質問したら、海外の臨床試験では報告が無かったのでQT延長の懸念は無いと回答。
その後、医療機関が自ら審査結果報告書を確認したらQT延長の報告があった。
厚生労働省は不利益な情報を隠したと指摘しているけど、私は純粋に知識が無い事から起きた違反だと感じた。
100ページ近くある審査結果報告書を読んだ事がないMRの多いでしょうね。
そして副作用に関しては、「その懸念はない」と言い切る事は絶対に禁物よね。
そのような対応の仕方もままならない経験の浅いMRさんの事例だと思うわ。
MRの知識の無さから起こった違反事例②。
臨床試験の結果を「良好」とMRがプレゼン。
対象薬のないシングルアームの試験だったので、良好と判断した基準を質問したら、明確な基準は無かったとの事。
指摘事案は個人の見解をもとに「良好」と紹介することに科学的根拠がないとのこと。
でもね、観察研究ではなく臨床試験であればphase1であろうがシングルアームであろうが、必ず評価基準を設定している。
事前に仮説を立てて、この仮説を検証するのが臨床試験でしょう。
だから明確な基準はないと回答したMRは、事前に規定した評価基準を知らなかったという無知が招いた違反事例でしょう。
MRの違反ではなく、製薬会社本部の違反事例。
製薬会社が提供している情報サイトに出ているグラフが誤って逆に表示されていた。
そしてグラフの差が強調されるように、縦横比が変更されていて効果が強調されるようした。
もしかしたら、意図的ではなく、純粋なヒューマンエラーだったのかもしれない。
しかし、製薬会社の本部がこのような違反行為をしてしまったのであれば、その会社のMRには説明して謝罪する責任はあるんじゃないかと感じる。
これが違反になると専門領域MRは何も出来なくなる。
これは違反らしいけど、少し厳しいと思うし、事前に規定している禁止事項には該当していないと感じる。
対象薬は漢方薬。
MRが薬を投与した全例で有効であったと紹介。
指摘ポイントは全例といっても全10例中3例は評価不能で実際は7例のデータ。
10例未満のデータを元に有効性を主張したのが問題とのこと。
私が違和感に感じた事は2つ。
1つ目は10例のエントリーで評価対象が7例。
このようにエントリーに対して、評価対象数が少なくなる事は臨床試験においては一般的。
実際この試験においては評価対象7例の全例で有効であったのは事実。
2つ目は10例未満のデータを紹介した事を指摘しているけど、抗がん剤の臨床試験などでは数例の報告なんてよくある事。
この7例の結果が全ての患者に当てはまると紹介する事は問題だと思うけど、しっかりと文献になっている臨床試験で7例中7例(全例)で効果を示したと紹介することのどの辺が問題なのかいまいち分からないわ。
多くの違反事例が取り上げられている。
ガイドラインが発刊されて、製薬会社は適正な情報提供をしなければならないと示されているのにも関わらず多くの違反事例が報告されています。
この報告書には具体的な事例が51件も記載されているわ。
この違反事例は大きく分けて4つあると感じた。
- 売りたいが先行した患者視点無視の営業活動
- 悪意ではなく知識の無さが露呈して回答
- 製薬会社の作成した資料にも多くの違反行為
- これが違反と指摘されると患者さんに不利益があるのでは?
YouTubeゆってぃー薬品「情報提供GLを破ったMRが監視モニターに吊るし上げられた!」の生原稿
いかがでしたか。
本日のまとめをさせていただきます。
製薬会社の患者を無視した売上至上主義は許しません
情報提供GLを守っているか覆面調査してます。
情報提供GLが出来ても違反事例が続出している。
総括としては
「悪い事はバレる」
そしてMRという職業は知識が乏しいまま医療機関に情報提供する事も悪いこととされ違反事例に上げられてしまう事も分かったわよね。
本日の内容をゆってぃーの生声で聞いてみたいという方はYouTubeで確認してみてね。