みなさん、こんにちわ。
現役オンコロジーMRのゆってぃーよ。
またもや巨額買収が発表されたわよ。
ブリストルがセルジーンを8兆円がお買い上げするみたいよ。
今日はこの高額なお買い物について書いていきますね。
ブリストルがセルジーンを8兆円で買収する事を発表
日本経済新聞の発表はこちら
アメリカ外資のブリストルマイヤーズスクイブ(BMS)が同じくアメリカ外資のセルジーンを740億ドルで買収することを1月3日に発表したわよ。
この発表を受けて、すぐにセルジーンの株価が6割も上昇したんだって。
そりゃーそうよね。
買収となればプレミア価格で株価を買い取ってくれるんだからセルジーンの株は上昇するわね。
ブリストルにしてもセルジーンにしても癌治療に注力しているから、よりオンコロジーに注力していく事になるわよね。
でもブリストルが8兆円出すことにビックリよね。
2017年の売り上げでは
ブリストルが約208億ドルで世界第14位
セルジーンが約130億ドルで世界第21位
売り上げ規模としては、さほど差がない様に感じるけど完全にブリストルがセルジーンを飲み込んだ形になるみたいよ。
そもそもセルジーンってどんな会社なの?
正直、私もそんなに知っている訳ではないんだけど。
3年くらい前にはエージェント会社を介して大きく中途採用を募集していたわよね。
実際に後輩も1人セルジーンに転職したわ。
セルジーンはアメリカのバイオ医薬品メーカーで多発性骨髄腫治療薬が爆発的に売れて一気にメガファーマになった製薬会社よ。
日本においても2005年から活動を開始していて新卒募集などはなく、中途でMRを採用していたわ。
時期にもよるけど、ストックオプションの提示もあったり日本においてはバイオベンチャー的な位置付けの企業だったわよ。
セルジーンってあまり聞いた事がないけど全世界の売り上げ規模としては武田薬品やアステラス製薬と同程度あるから大きい会社といえば大きいわよね。
でも実際セルジーンが注目をあびていたのは研究開発費の多さよね。
セルジーンの世界売上高ランキングは21位の中、研究開発費は世界8位とTOP10入り。
売上高に対する研究開発費は45.5%と世界第1位よ。
売り上げ金額の半数近くを研究開発に注ぎ込むって凄いわよね。
研究開発に多くのリソースを注ぎ込むという事は一見良い事だけど、私は少しリスキーだと思っていたわ。
売り上げ金額の半分を研究に使ってしまうって何か歪に感じませんか?
そうしなければ、ならない理由があったのだと思う。
バイオベンチャーは一気に成長するけど将来性の不安が露呈した買収劇だと思う。
セルジーンなんて日本においては、ここ3年〜4年で名前を聞く様になった会社よね。
セルジーンに転職した後輩に聞いても、年収はかなりUPしたって喜んでいたわ。
多発性骨髄腫の薬がめちゃくちゃ売れて一気に成長していった会社だと思う。
その会社が売り上げの半分、研究開発に注ぐってどういう意味かしら?
成長著しい会社が他社に身売りするってどのような意味かしら?
典型的なバイオベンチャーとリスクが出たって事でしょ。
1〜2製品にのみ頼って売り上げを構成していたから将来が不安でしょうがない。
だから次なる新薬を急ピッチで発売しなきゃだから研究開発に歪なくらい注ぎ込む。
将来性が不安だから、状態が良い(価値が高い)うちに、売り抜きたい。
バイオベンチャーって一見、将来性が高い様に見えるけど逆よ。
1〜2製品に頼って事業展開しているから、特許や予期せぬ副作用で一気に会社が傾くリスキーな選択だと思う。
その将来の不安がセルジーンの今までの研究開発費の多さや身売り(買収)提案の受け入れに繋がったんだと思う。
まとめ
ブリストルがセルジーンを8兆円で買っちゃうんだって。
金額の大きさやブリストルの思い切った行動が大きく取り上げられているけど、私はバイオベンチャーのリスクが露呈されたと感じたわ。
ちょうど1年前にバイオベラティブもサノフィーに買収されたでしょ。
サノフィがバイオベラティブ買収よ。やっぱりバイオベンチャーMRはリスク大
バイオベンチャーのリスクを考えずにチャレンジすると本当に後悔すると思う。
そりゃーそうよね。
1〜2製品に依存した会社の10年後は厳しいのは目に見えているもんね。
どのような、会社も初めはベンチャー中小企業だったと思う。
だから、今でも存続しているメガファーマは継続的に新薬が発売出来て成長し続けてきた本当に凄い会社なんだと思う。
ほとんどの会社が、セルジーンやバイオベラティブのように消滅していくのが現実よね。
そのリスクを背負ってでも、専門性の追求や短期決戦勝負にチャレンジしたいのであれば応援したい。
100歩間違っても「バイオベンチャーこそ将来性がある」なんて偏った勧誘には乗らないでほしい。
ゆってぃー様
明けましておめでとうございます。
本年もブログを楽しく拝読させて頂きます。
新年早々、私もこのニュースには驚きました。私としてはオプジーボのあるBMSの固形癌と、レブラミドのあるセルジーンの血液癌でそれぞれシナジーがある買収なのかなと思っていました(BMSのMMの薬剤もセルジーン製品との併用ありきなので)が研究開発費の切り口からの考察はしていませんでした。
どのstartup企業もなかなか単独だけで成長していくというのも難しいですよね。
そもそも上市前にモノになりそうだったらメガファーマーが買収しちゃいますしね。
また今年も宜しくお願いします、明日から仕事頑張りましょう笑
OKMRさま
あけまして、おめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。
正直この買収はビビりました。
と同時に、良い買収だと思いました。
本当にバイオベンチャーに将来性があるのであれば、このような買収劇はおきないと思います。
セルジーンにしても将来性の欠如がこの買収で払拭されましたし、ブリストルにしても企業規模拡大に成功しました。
8兆円の買い物ですので、本当に成功したと判断するには当分先の話ですが
興味深く見届けたいと思います。