みなさんこんにちは。
現役オンコロジー(抗がん剤)専門MRのゆってぃーよ。
MRをやっている人だったら武田薬品のCASE-J試験の事件はご存知よね。
今日はこの試験について考えていくわね。
CASE-J事件とは
厚生労働省は2015年、武田薬品のARB・ブロプレス(一般名:カンデサルタン)の臨床試験「CASE-J」をめぐり、“ゴールデン・クロス”と銘打つなど誇大広告があったとして、医薬品医療機器法(薬機法)に基づく業務改善命令を出した。
誇大広告で、薬機法第66条違反として、行政処分が行われるのは初めて。
同試験をめぐっては、CASE-J試験の結果を示す心血管イベント発現頻度の図表が、学会発表時や論文掲載の図表と完全に一致せずにズレがあったこと、資材を通じて強調された長期投与の有効性が示された42か月以降のデータが論文化されていないことなどが指摘されていた。
問題点は2つ。
まず、グラフが論文化されたグラフなど、正しいグラフに比べて、発現率が低く見えるようにしたこと。
もうひとつが、グラフでは、対照薬であるアムロジピンと統計学的な有意差がないにもかかわらず、長期間服用した場合に発現率が下回ることを強調されていたことだ。
長期服用(42か月以降)で、ブロプレスがアムロジピンに比べて、良好な心血管イベント抑制効果を示しているように見えるよう、交差部分については、「矢印を用いて「ゴールデン・クロス」という最大級の表現で強調した」と指摘した。
(出典:ミクスonline)
分かりやすく言えば、武田薬品のブロプレスと比較薬のアムロジピンは心血管イベントに差がなかったのに、あたかも差があるようにグラフを改ざんして医者と患者を騙した事件よ。
問題になったグラフはこちら
(引用:東洋経済オンライン)
このグラフにある赤色の矢印のところでクロスしてカンデサルタン(ブロプレス)の方がイベントが少なくなる。だからカンデサルタンを長期に使った方が「患者さんの為に」なると7年間宣伝し続けたのよ。
このクロスを武田薬品がゴールデンクロスと表現していたの。
ただ学会で発表された正式なグラフではアムロジピンとカンデサルタンでのイベント数は差がなくクロスしていないのよ。
武田の誇大広告はCASE-J事件だけじゃないわ
カンデサルタン(ブロプレス)ってお薬は血圧を下げる降圧剤っていうお薬よ。
それ以外の疾患には効果がないのよ
そのお薬のパンフレットがこちら
カンデサルタン(ブロプレス)って何のお薬か分かる?
カンでサルタンは高血圧、高齢者、夜間高血圧、糖尿病、CKD(慢性腎臓病)に切り札として使える薬剤って見えない?
糖尿病にも効くのなら使ってみようって騙されたDrもいれば、実際に服用した患者も多くいたよねよ。
CASE-J事件の実行犯はMR?経営幹部?
このCASE-J事件の犯人は誰だと思う?
MRが勝手にグラフを作って、パンフレットを印刷してDrに案内するわけないわよね。
会社の経営幹部がMRに対してやらせたのよね。
きっとその時、経営陣は「患者さんの為に」ブロプレスをDrにお届けしなさいとか言ってたんじゃない。
この実行犯の経営陣はどんな責任を取ったの?
当時の社長は、未だに相談役として会社に居座っているそうよ。
現在の武田薬品の社長は年収10億円もらってるっていうじゃない。
その10億円のうち幾らかは、このCASE-J事件で医者を騙して得たお金もきっと含まれてるわね。
そのお金で飲むお酒はどんな味がするんだろう?
まとめ
武田薬品のような日本最大の製薬企業で起きた事件よ。
しかもたった2年前っていう最近の話。
武田薬品の企業理念は「誠実」「公正」「正直」「不屈」ってホームページに書いてあるわ。
笑っちゃいけないけど、「どこがやねん!」ってつっこんでくださいって言っているようなもんね。
ノバルティスの「ディオバン事件」と同様に、患者さん何てどうでもよくて売れれば良いんでしょ。
特に生活習慣病みたいに同じような薬がたくさんある領域は未だにこんな感じよね。
MRって職業は薬屋の営業だから「患者さんの為に」という綺麗事だけでは仕事は完遂しないわ。
でも少なくともプライマリーMRよりかは、オンコロジーMRの方がまだ患者さんの役には立っていると思います。