みなさん、こんにちは。
現役、オンコロジー(抗がん剤)MRのゆってぃーよ。
今日は、17年4月に騒がれたバイエル薬品のカルテ無断閲覧不祥事について考えていくわね。
バイエル薬品カルテ閲覧事件とは
バイエル薬品が販売するイグザレルトという薬の患者調査で、50代のMRが不適切にカルテを閲覧したと内部告発した事件よ。
この無断閲覧で得られた情報を元に作成された2つの論文が、2016年1月に取り下げになったにもかかわらず、「社内に通知されず、なお販売促進資料として使用」していたのよ。
内部告発を行ったMR以外に所長2人がカルテを無断閲覧して患者の肝機能や腎機能、通院間隔、負担割合などの情報を入手したのよ。
告発をしたMRの主張としては、カルテの閲覧について所長に「やりたくない」と訴えたそうよ。
それでも「これは、会社が言っているからおかしなことを指示命令するはずがないので速やかにやるように」という指示だったみたい。
得られたデータを基に論文が執筆、医学誌に掲載され、その後パンフレットなどを通じてプロモーションに活用された。
バイエル薬品の回答
MRがカルテの閲覧をする指示なんてしてません。
MRが勝手にやっと事です。
このMRが頭おかしいですって言ったの。
「MRが勝手にやった事とはいえ、ご迷惑お掛けして申し訳ございません」だって。
アンケートは会社として実施したけれども、それはDrに解答してもらう事を想定していたからMRが勝手にカルテを見てアンケート結果を記入なんて夢にも思いませんでしたって解答したのよ。
MRと会社の言っている事が真逆
見事なまでも、双方の主張が真逆なのよね。
どちらかが嘘を付いているんだけど、一番の被害者は勝手に個人情報を抜かれた患者さんでしょ。
そこのケアが公になる事なく「私は悪くない」って言い合っている姿が凄いわよね。
バイエル薬品の企業理念は「患者さんのより良い明日のために」なんだって。
MRが勝手にやったのか、会社の指示でやったかは不明だけど、いずれにしろバイエル薬品は「患者さんのより良い明日のために」カルテに書いてある患者の個人情報を盗んだのかしら?
この事件の裏にもPIPが潜んでいる
告発をしたMRによると社内のコンプライアンス室にカルテ無断閲覧の相談したら、退職勧奨を受けたんだって。
告発をしてくる面倒臭いMRだからPIP(業務改善命令)プログラムに入れて退職に追いやったのか?
この一連の事件が表に出る前に、このMRがスキルに乏しくてPIP(業務改善命令)プログラムに入れられてリストラされそうだから、内部告発をしたのか?
どっちが先かは不明だけど、やっぱりPIPの制度が背景にあって起こった事件なのは間違いないわね。
PIP制度が活発に実施されるようになってから、このような内部告発や訴訟が明らかに増えているわよね。
まとめ
バイエル薬品のカルテ無断閲覧事件はMRは会社の指示だった、会社はMRが勝手にやったと主張しているわ。
どちらにしても知らないところで自分の個人情報が盗まれていた患者さんが一番の被害者なのに、この不祥事もやっぱり患者さんは置き去りになっているわよね。
バイエル薬品の企業理念「患者さんのより良い明日のために」だって。
結局は自社製品の売り上げを上げるためのデータが欲しいから、情報を盗んだんでしょ。
新しい企業理念として「利益が欲しい!お金が欲しい!情報盗んでもいいでしょ!」にすればいいのに。
この事件の前後にPIPの存在もあるわよ。
やっぱり外資はやばいと思うわ。